この記事では「鳥取駅から徒歩10分の距離と便利な立地ながら6つの温泉を楽しめる江戸時代創業の老舗宿をレビュー」します。
鳥取市は人口約18万人の都市であり、労働人口の約7割がサービス・商業に従事する観光都市です。
名産の鳥取和牛や冬場の松葉蟹などのグルメや、鳥取砂丘、砂の美術館などの観光地を目当てに約1,800万人の観光客(2023年)が訪問しています。
鳥取市の特徴は市内の至る所に温泉が湧き出ており、その周囲に飲食店が並んでいるため、特に大人向けの観光地です。
今回は冬の名物「松葉蟹」を目的に鳥取市を訪問し、老舗旅館こぜにやへ宿泊しました。
これまで100を超える高級宿に泊まってきた経験から、突っ込んだ目線で「こぜにや」をレビューします。
<レビューの観点は以下の順>
- 特徴
- 設備・サービス
- 客室
- 食事(近隣の美味い飲食店含む)
- 価格
- アクセス
動画版は以下。
⇒参考動画)【こぜにや 宝殿】6つの源泉掛け流しの露天風呂がある鳥取市最高の宿で唯一の客室温泉がある離れに宿泊|江戸時代創業
特徴
江戸時代から続く老舗であり鳥取駅から徒歩10分の距離ながら6つの温泉大浴場を備えています。
鳥取市内には100を超える宿がありますが、こぜにやほど広大(約5,000平米)で立地の良い宿はありません。
接客も素晴らしく、じゃらん、楽天トラベル、一休などのインターネット予約サイトの口コミ評価で常に1,2番目の高い評価を獲得しています。
中庭には鯉が泳ぐ大きな池も備えており市内に居ることを忘れてしまいます。
設備・サービス
バーなどの洒落た設備は無いですが、温泉関連の設備がとても充実しています。
大浴場、貸切風呂、ラウンジ・ロビー、中庭、売店、食事会場、駐車場があります。
大浴場
法隆寺の夢殿をイメージした八角円堂の湯殿です。
男女それぞれに内風呂1つ、露天風呂1つを備えた源泉掛け流しの温泉があります。
泉質はナトリウム - 硫酸塩・塩化物泉(塩分と鉄分を多く含む芒硝泉)。地下100mから毎分20ℓ湧出する自家源泉です。
美肌・冷性・肩こり・腰痛・筋肉痛などに効能があります。
内風呂、露天風呂の浴槽は小さく、それぞれ約10名が定員ですが、無料で利用可能な貸切風呂もあるため混み合うことは少ないです。
洗い場にはシャンプー類(POLA:shower break)と炭洗顔、ピーリングジェルがあります。
脱衣所にはロッカーとベビーベッドがあり、女性用の洗面台にはクレンジング・乳液・化粧水(KOSE:NATURE&CO)も備わっています。
大浴場の利用時間は15:00〜9:00までとオールナイト営業しており、夜間も利用可能です。
貸切風呂
2つの源泉掛け流しの貸切温泉(二人静、なでしこ)があります。
二人静は露天風呂であり、円形の檜風呂となっています。
たっぷり大人4名が浸かれるほど大きな浴槽となっており、鳥取の澄んだ空気を感じながらのんびりと入浴できます。
なでしこは内湯であり、長方形の石風呂です。
二人静よりも小さな浴槽であり、大人2名が足を伸ばして入浴できるくらいです。
それぞれの貸切風呂には独立した脱衣所、トイレが備わっています。
こぜにやに宿泊するときは、部屋風呂では無く貸切風呂や大浴場に入るのがおすすめです。
貸切風呂も大浴場と同じく15:00〜9:00までの間、予約無し・回数制限無しで利用可能。
ラウンジ・ロビー
様々な柄の浴衣のレンタル(無料:女性のみ)や、早朝には無料でコーヒー・乳酸菌飲料の提供を行っています。
「観水庭」の名前通りラウンジの椅子に座れば、鯉が泳ぐ庭の池を望みながらカフェできます。
中庭
中庭の大半を占める池には沢山の鯉が泳いでいます。
8:00〜10:00と15:00〜21:00の間、売店の前に置いてある餌箱から餌を取って池に投げ入れてみましょう。
恐ろしい勢いで鯉が寄ってきて餌の取り合いを開始します。
売店
鳥取市認定の「地産地消の店」です。
*鳥取県内で生産された米や農林水産物を食材として使用する市内の飲食店を、認定基準に従い鳥取市「地産地消の店」として認定しています。
銘菓の「因幡の白うさぎ」や「うにのり」など山陰地方の土産が豊富に並んでいました。
鳥取市内は意外とお土産屋が少ないので、友人や会社へのお土産購入に助かるサービスです。
プロ野球選手も訪問していたようです。
客室
全客室数は25室。
そのうち、24室は8畳の和室タイプですが、1室だけ一棟貸しの「離れ」があります。
8畳の和室、6畳の和室、寝室と源泉掛け流しの温泉が付いた「宝殿」です。
最大6名が宿泊可能であり、バリアフリー構造のため親子3世代での宿泊も可能。
今回は「宝殿」に私、妻と妻の母の3名で宿泊しました。
客室の構成は和室×2(8畳と6畳)と洋室の寝室×1の計3室です。広い廊下や専用の源泉掛け流し温泉も合わせると100平米を超えます。
また、宝殿専用の日本庭園もあり庭を眺めながら縁側でお茶をするなど贅沢な時間を過ごせる客室です。
8畳の和室
離れの中央に位置し、日本庭園と6畳の和室に隣接する広間です。
UCCのカプセル式コーヒーメーカーやお茶などがあり、中央のテーブルで団欒できるようになっています。
掛軸や生花(造花ではない)、テレビなどもあり宿泊者が集まって過ごすための部屋です。
6畳の和室
冷蔵庫や収納などが設置されている客室。
就寝時は8畳の和室が寝室の一つになるため8畳の和室にあったテーブルが6畳の和室へ移動してきます。
予め冷蔵庫内で冷やしておいたお酒などで晩酌する部屋として活用できます。
寝室
2つのベット(シモンズ製)がある洋室の寝室です。
8畳ほどの広さがあり、洗面台やバリアフリーのトイレ、冷蔵庫などが設置されています。
お風呂以外はベッド周りで完結できるため、動くのがしんどくなった高齢の方でも快適に過ごせる寝室です。
源泉かけながし温泉
「宝殿」は観水庭こぜにやの中で唯一、源泉かけながし温泉のある客室です。
大浴場や貸切風呂と同じく、ナトリウム - 硫酸塩・塩化物泉(塩分と鉄分を多く含む芒硝泉)が24時間、かけながしで利用できます。
客室風呂とは思えないほど大きく、大人6名が浸かっても足を伸ばせます。
浴室の窓を開ければ露天風呂気分で温泉を楽しめます。窓は宝殿専用の中庭に面しているので外の目線を気にしなくて良いです。
大浴場や貸切風呂も良いですが、客室風呂ならではメリットも多く、大変重宝しました。
<メリット例>
- 客室から移動しなくて良い
- 24時間好きなタイミングで入れる
- お風呂でお酒を飲める
宝殿専用の庭
客室と同じくらいの広さの日本庭園があります。
塀で囲まれており、宝殿の宿泊者以外は立ち入り禁止のため人目を気にすることなく、縁側で庭を眺めながらお茶できます。
夜はライトアップされるため、昼間とは違った綺麗な景色ぐ見えます。
廊下(トイレ、洗面台など)
広い客室のため、客室同士を繋ぐ廊下も広いです。
廊下には男女別のトイレが設置されており、大人数(宝殿は最大収容6名まで)の宿泊にも対応しています。
寝室のバリアフリーのトイレも含めると3つのトイレがあります。
また浴室の手前にも洗面台があり、入浴している人がいても歯磨きや洗顔が可能です。
バリアフリーの洗面台も含めるとトイレ同様3つの洗面台があります。
食事
観水庭「こぜにや」は鳥取の食材をふんだんに使用したレベルの高い食事を提供することで有名。
宿泊だけでなく日帰りの食事プランも用意しているほどで接待などにも利用されるようです。
また「こぜにや」の周辺には永楽温泉町などの居酒屋街があり、鳥取の幸を提供する飲食店が並んでいます。
今回は、どうしても食べたい親がに丼*を提供する居酒屋「味暦あんべ」へ訪問しました。
*親がに:日本海側で獲れるズワイガニの雌(雄は松葉蟹)。松葉蟹には無い、外子(腹の卵)や内子(こうらの中の卵)があり、みそなども絶品。
詳しくは別記事に纏めますが、濃厚な旨味と甘みが脳を震わせるほど美味かったです。
また鳥取でしか食べられないモサエビや、白イカ、白ハタなどを提供する「旬魚たつみ」、ミシュランガイド掲載のレストラン「れんが亭」「御銀」などの名店もあります。
鳥取地酒の熱燗の美味さなど、新しい発見もあるため、食べ歩きもおすすめです。
価格
離れ「宝殿」に3名素泊まりで合計87,860円でした。
公式と他の宿泊予約サイト(Relux、一休、じゃらんなど)を価格比較しましたが、Reluxには掲載が無いなど、そもそも掲載されている予約サイトが少なかったです。
また、掲載のある宿泊予約サイトでもじゃらんなどは「宝殿」の客室を選択できないなど制限も多かったです。
宝殿の掲載がある宿泊予約サイトの中では一休が一番安かったです。
また、公式が安い可能性も考えましたが、こぜにやの公式料金は3名合計で91,500円(30,500円×3名)と一休の方が安かったです。
アクセス
鳥取駅から徒歩10分と申し分無いです。
歩きたくない場合は鳥取駅に到着時、宿へ連絡すれば送迎してくれます。送迎可能時間は8:10~11:00と14:00~21:50です。
まとめ
- 観水庭「こぜにや」は江戸時代に開業した老舗旅館
- 鳥取駅から徒歩10分の場所にある好立地宿
- 6つの源泉掛け流し温泉があり貸切風呂も無料で利用可能
- 離れ「宝殿」は専用の日本庭園と専用の源泉掛け流し温泉が付いており最高のプライベート空間
- こぜにやの食事のレベルも高いが、近隣の居酒屋街(永楽温泉町)では鳥取でしか食べられない幸を提供する名店が多い
リーズナブルに過ごすなら、白水館に宿泊して食事を永楽温泉町の居酒屋で食べれば、1人あたり2万円以下で、貸切温泉と鳥取の海の幸(松葉蟹、モサエビ)を満喫できます。
ちょっとお金をかけて快適度を上げて、宝殿に宿泊して永楽温泉町のミシュランや高級割烹で食べても1人あたり4万円以下で贅沢できます。
鳥取は宿も食事も、質に比べて価格が安いと思います。
以上「【観水庭こぜにや 宝殿】6つの源泉掛け流しの露天風呂がある鳥取市最高の宿で唯一の客室温泉がある離れに宿泊|江戸時代創業」でした。
鳥取のその他観光スポットやグルメについても、本ブログで紹介しています。
⇒参考)鳥取の観光記事まとめ
コメントを残す