この記事では「松葉蟹など、鳥取グルメをコスパ良く食べられる場所」を中心に紹介します。
松葉蟹はもちろん、地元の方が通うミシュランガイドの飲食店や、地元の方にとっては高くて通えないけど美味しい料理屋など、地元の方から教えていただき、訪問しました。


鳥取県民は日本酒は熱燗が主流などの食関連の小ネタもあります。
また、鳥取は東西120kmと横長の県。東と西の食の違いも確かめるべく、東は鳥取市から西は境港まで横断し食べ歩きしました。
→動画版はこちら
【1日目】鳥取市
初日は昼食に松葉蟹を食べ、ミシュラン掲載の飲食店(2軒)に訪問予定。
土曜日に大阪の池田ICからレンタカーで鳥取市へ向かいましたが、道中の山間部には雪がありました。

当日は積雪は無かったですが冬場のスタッドレスタイヤは必須です。
距離的には近く、約2時間で鳥取市へ到着。高速料金も2,410円と安価で関西から鳥取市は意外と行きやすい場所でした。
「鳥取西」の高速出口から車で14分の距離にある鳥取港海鮮市場「かろいち」を訪問し、昼食にします。
かろいち
松葉蟹を安価に食べられる、鳥取市の漁港そばの市場です。

鳥取港の近くに位置し、新鮮な海産物や地元の特産品を購入したり、その場で味わったりできる市場です。

着目すべきは、鳥取港で水揚げされた松葉蟹や親がに、モサエビ、白烏賊などの名物。
冬場は獲れたての蟹を購入したり、その場で茹でてもらい食べることもできます。


特に松葉蟹はかなり安く、城崎温泉など松葉蟹で有名な場所の半値くらいで購入できます。

鳥取は、そもそも観光地として知名度が高く無いこと、かろいちが漁港の近くに位置することが安い理由だと思います。
茹でた松葉蟹を2杯購入しましたが、なんと合計で1万円と安価。その場で食べましたが、抜群に美味い!

蟹身もしっかり詰まっている。

城崎や香住で食べた蟹と同じ品質でした。
漁協直営のお店(JF鳥取県漁協かろいち店)もあるので松葉蟹を含め、安くて品質の良い魚介が手に入ります。

*「かろいち」という名前は、鳥取の方言で「みんなで」という意味を持つ「かろう」の語源からきています。
近隣には「賀露みなと神社」、因幡の白兎で有名な「白兎神社」、毎年展示テーマが変わる「砂の博物館」など様々な観光地があります。

個人的には圧巻の美しさを誇る「砂の博物館」がおすすめです。
市内にある江戸時代開業の老舗宿「観水庭こぜにや」にチェックインし、夜を待ちます。




→【記事】6つの源泉掛け流しの湯殿を持つ観水庭こぜにやに宿泊
味暦あんべ
ここでしか食べられない「親がに丼」がある。
親がにとはズワイガニの雌。ズワイガニの雄は松葉蟹であり大きく成長しますが、雌である親がには非常に小ぶり(甲羅の幅:7〜10cm)。

親蟹1杯あたりの価格は数百円と安価だが、小さいため剥くのがめんどくさいという問題があります。
味暦あんべでは、何杯もの親がにを剥いて、可食部のみを取り出して丼にしています(親がに丼)。

また、雄の松葉蟹とは異なり卵(外子、内子)も楽しめます。

自分ではやりたくないほど、非常に手間がかかるため価格は高い(10,000円/丼)しますが、ここでしか食べられない美味と聞いて訪問しました。
事前予約が必要なため、2週間前に予め「丼3つ」と伝えておきました。
到着すると座敷席に通され、手際よく美しい親がに丼が出てきました。

具材は丼の反時計回りの順で以下の5種類。
- 内子の塩茹
- 生外子醤油漬け
- プレーン蟹身
- 蟹味噌で和えた蟹身
- 生内子醤油漬け
小ぶりな分、蟹身は松葉蟹と比べて濃厚な味わいで甘みが強く非常に美味。

足の付け根に抱えている外子はプチプチとした食感で醤油漬けにすることでキャビアのような味わい。

甲羅の内側に抱えている内子は濃厚な蟹味噌のような味わい。

新鮮な内子をすぐに醤油漬けにすることで更に旨みが強くなります。鮮度が必須のため、鳥取県民でもなかなか食べられない逸品。
価格は高かったですが、確かに味は絶品でした。ここでしか食べられない逸品ということもあり、再訪の際は必ず食べたいと思いました。
個室完備のため、静かな環境で食事できるのもグッドです。

なお、味暦あんべはミシュランガイド鳥取に掲載されています。
ミシュランガイド鳥取繋がりで、同じく末広温泉町にある洋食「れんが亭」を訪問。
れんが亭
味暦あんべから徒歩5分の路地にひっそりと佇む欧風料理屋。



フレンチをベースにしつつ、和の要素も取り込んだ料理を提供しています。食材は地元へのこだわりがあり、鳥取の旬の食材を主に使用。
じっくり煮込んだ濃厚なビーフシチューや獲れたての魚介を使用したシーフード料理、旬の野菜を使ったオードブルなどが人気メニューです。
オーナーシェフが1人で調理しており、奥様がホールを担当しています。

そのため、テーブル席少しとカウンター席のみの営業です。我々はカウンター席で食事をいただきました。

れんが亭の唯一無二の特徴は、熱燗と欧風料理のペアリング。
鳥取県民の日本酒の飲み方は主に熱燗で、それと欧風料理を掛け合わせるという発想だそうです。

まずは洋風の魚料理「境港、ハガツオの塩タタキ(藁焼き)」と鳥取の日本酒「辨天娘の熱燗」を注文。

我々は高知で何度もカツオの塩タタキ(極上)を食べており、塩タタキには強いこだわりがあります。

そんな我々からしても旬(秋〜冬)のハガツオを使用したれんが亭の塩タタキは絶品でした。
生姜をすりおろし花のように見立てた美しいデザインも素晴らしく、ネットリした舌触りながらあっさりと冷やしたハガツオは無限に食べられる美味さがありました。

チーズの盛り合わせや有明海苔と柚子胡椒クリームパスタなども注文。

特に有明海苔と柚子胡椒クリームパスタは変わり種ながらとても美味でした。

クリームの濃厚さが有明海苔と柚子胡椒で緩和されて、濃厚さもありながら後味がさっぱりしており、親がに丼を食べた後でも美味しく食べられました。

2軒目で訪問するのは勿体無いほど良いレストラン。再訪時は1軒目に伺います。
末広温泉町はグルメの宝庫です。
旬魚たつみや、れんが亭に横並びの御銀という焼鳥屋もミシュランガイド鳥取に掲載されており、グルメ目的で鳥取市に宿泊するのもあり。
【2日目】境港
本日は鳥取県を米子方面へ横断します。

東の鳥取市から約100km西にある境港まで高速道路(無料区間)で移動し、境港水産物直売センターで松葉蟹を食べます。
今年は香住、鳥取市と東から西へ松葉蟹を食べてきたので、更に西の境港でも松葉蟹を食べて、味の違いを確認しようという企画です。
鳥取市から境港近くの米子まで高速道路は無料区間であり、高速の乗り降りで料金は発生しません。

鳥取県には「はわい」という場所があります。ローマ字で書くと「Hawai」であり「Hawaii」ではありません。

はわいを漢字で書くと羽合でありハワイにインスパイアされたわけではありません。
道中には鳥取の名峰「大山」があり、麓の道の駅「大山恵みの里」に立ち寄りました。
道の駅 大山恵みの里

大山の麓で採れた新鮮な野菜や、肥沃な大地で育った黒牛、豚などの畜産物の加工品が並びます。


その他、大山で磨かれた水で作った地ビールなども販売されており、大山名物を揃えるならココ!というほどラインナップが優れていました。



また、文化庁の100年フードに認定された「大山おこわ」や「大山そば」など、ここでしか食べられない料理もあります。

いずれも大山山麓の伝統食。例えば、大山そばは大山寺の僧兵が戦場に行く際に勝利を祈願して炊きだしたことが始まりです。
もち米とキノコや山菜、鶏肉を入れる醤油ベースのおこわとなっており、大山で採れた食材が詰まった逸品。
お土産も食事も楽しめる道の駅でした。

高速道路(名和IC)を降りて直ぐのため、移動時間のロスにもならず、鳥取市から米子へ向かう場合には是非とも立ち寄りたい場所です。
境港市(境港水産物直売センター)
境港市は鳥取県で最も小さな市(面積:29.02km2)であり、米子から北に突き出た約20kmの大きな砂州上にあります。
人口も32,000人と少ないですが、日本有数の漁業のまちとして知られています。
特に水揚げ量全国トップクラスを誇るカニやマグロ、アジ、サバなどの水産物が有名で、全国から新鮮な魚を求めて訪れる人が多いです。

また、境港市は、漫画家水木しげる(『ゲゲゲの鬼太郎』の作者)の出身地です。
そのため、市内には「水木しげるロード」があり、鬼太郎や妖怪のブロンズ像が並ぶ観光スポットになっています。

近隣には日本海の海底1,500mから汲み上げた温泉を源泉とする皆生温泉と温泉街があり、海を臨みながら入れる温泉地として人気です。

海鮮、観光、温泉と3拍子揃った境港市ですが、今回は海鮮が目的だったので、主に境港水産物直売センターを訪問しました。

境港水産物直売センターは境港市の北端に位置し、車のほか、電車でもアクセス可能です。
年間70万人が訪問する大型の魚市場で12の水産物販売店が集まっています。


冬は蟹を求めて沢山の観光客が集まりますが、意外だったのは境港市では松葉蟹よりも紅ズワイ蟹の方が人気です。
というのも境港は紅ズワイ蟹の全国水揚げ量が日本一だからです。実際に販売店では紅ズワイ蟹が沢山並んでいました。
ただし今回は松葉蟹の食べ比べが目的。鳥取市のかろいち同様、松葉蟹を安価に購入します。


特に、1本欠けていたり、甲羅に傷など難点ありのワケあり品は定価の半値以下で購入できるものも多く、購入してその場で食べることにしました。

定価1万円の蟹を8,000円に負けてもらい、B級品の蟹の甲羅部分5つを2,500円で購入。


お箸とガラ入れを貰い、飲食スペースで蟹を頂きます。

シンプルに茹でただけの蟹ですが、ぎっしり詰まった身から旨みが溢れて濃厚な味わい。
1つあたり500円の松葉蟹の頭もいただきます。

見た目はよろしい。

甲羅の中には味噌がぎっしり詰まっていました。

ただ個人的な見解ですが、今年3箇所(香住、鳥取市、境港)で松葉蟹を食べて美味かった順は①香住、②鳥取市、③境港のような気がします。

蟹の個体差はあれど、それぞれの場所で同じくらいの大きさの茹で蟹を食べましたが、一番濃厚に感じたのは香住でした。

そもそも島根、鳥取、兵庫などの日本海側で獲れる松葉蟹の内、最も栄養状態の良い蟹は兵庫の蟹と考えられます。
島根、鳥取、兵庫の海は対馬海流が支配的ですが、対馬海流自体は栄養が少ないことが知られています。
島根、鳥取、兵庫の順に海流が流れる内に、各地の山から流れ出る栄養豊富な川の水を巻き込みます。
つまり、対馬海流が兵庫まで行き着いたときには島根、鳥取の栄養も含んだ栄養豊富な海流になっています。
さらに兵庫のあたりで対馬海流と逆方向の海流(リマン海流)がぶつかります。
リマン海流は栄養豊富な海流であることが知られており、栄養豊富な海流同士がぶつかることで、奇跡と言われる漁場が形成されます。
栄養豊富な海ではプランクトンが育ち、それを小さな魚介が食べて、それを蟹が食べることで丸々と太った松葉蟹になると考えられます。
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なぜ、香住の松葉蟹を一番美味く感じたのか考察した結果、上記のような考えに至りました。
とはいえ、価格面で一番安かったのは「かろいち」でした。

境港と香住は有名になりすぎて松葉蟹を求める観光客が多数おしかける場所になっています。

そのため多少、割高な価格で販売しても売れるからだと思います。
個人的には味と価格をバランスするとコスパ的には「かろいち」が一番良いと思います。
蟹以外の要素(観光、温泉街など)含めると、境港は便利な場所です。
また、境港は全国からのアクセスに優れた場所でもあります。近辺には空港が2つあり、いずれも境港まで車で1時間の距離です。
米子鬼太郎空港は羽田からの発着、出雲縁結び空港は東京、大阪、福岡等の発着と、何処からでも行きやすいです。

まとめると、兵庫や山陰地方へ蟹旅行するなら以下3つの使い分けが良いと思います。
- 蟹だけを楽しみたいなら「香住」
- 蟹と温泉を楽しみたいなら「鳥取市」
- 観光メインで蟹も食べるなら「境港」
北は北海道から南は境港まで様々な地域で、様々な種類の蟹を食べましたが、個人的には松葉蟹が一番美味いと思います。
もし冬場にコスパ良く松葉蟹を食べに行く場合は、鳥取市または香住近くの佐津温泉がおすすめです!
参考)鳥取の宿泊と移動手段
宿泊は公式予約と同じ内容で安く予約する方法、移動手段は最速かつ最安で鳥取へ行く方法を紹介します。
宿泊
基本的には主要な宿泊予約サイトで宿泊料金をチェックし、最後に公式と比べて宿泊予約サイトの方が安いことを確認します。
100を超える宿を様々な宿泊予約サイトや公式から予約してきましたが、約9割は宿泊予約サイトから予約した方が安かったです。
公式から予約すると、ウェルカムスイーツや粗品のプレゼントがあったりする場合がありますが、それでは割に合わないくらい安くなる場合が多いです。
まずはざっくりとGoogle宿泊料金の検索で何処から予約するのが安そうか検索し、あたりをつけます。
Google宿泊料金の検索の弱点は、クーポンの割引が反映されないこと。
そこで、次に表示価格が安い宿泊予約サイト3つを見て、クーポンの有無を確認します。
クーポン込みで上記3つの宿泊予約サイトの価格を比較し、一番安い宿泊予約サイトを特定します。
最後に公式との料金比較して、宿泊予約サイトの方が安いことを念の為確認という流れです。
今回、鳥取市で「観水庭こぜにや」に宿泊しました。
Google検索で、公式と他の宿泊予約サイト(Relux、一休、じゃらんなど)を価格比較しましたが、Reluxには掲載が無いなど、そもそも掲載されている予約サイトが少なかったです。
また、掲載のある宿泊予約サイトでもじゃらんなどは「宝殿」の客室を選択できないなど制限も多かったです。
宝殿の掲載がある宿泊予約サイトの中では一休が一番安かったです。

また、公式が安い可能性も考えましたが、こぜにやの公式料金は3名合計で91,500円(30,500円×3名)と一休の方が安かったです。

*当日の公式の宿泊料金はスクショし忘れましたが基本、観水庭こぜにやは日にちによって宿泊料金は変動しません。
観水庭こぜにやに宿泊した記事は以下。
⇒参考)【観水庭こぜにや宝殿】6つの源泉掛け流し露天風呂がある鳥取市最高の宿の客室温泉付き離れに宿泊|江戸時代創業
予約するタイミングにより、どの宿泊予約サイトが最安値かは異なります。
観水庭こぜにやが掲載されている代表的な宿泊予約サイトを以下に記載するので、価格比較の参考にしてください。
以下は、宿泊費を削減する方法の詳細(記事)。
⇒参考記事)宿泊料金を安くする手段:年収が高くなくても、高級ホテルに安く宿泊する方法!
主要な宿泊予約サイトごとに、得意とする価格帯や割引有無などの観点で纏めた記事は以下。
⇒参考記事)クーポンとポイントで宿泊費用が安くなる宿泊予約サイト【ランキング】
移動手段
前提として、鳥取県というか山陰地方はアクセスが悪いです。
さらに、鳥取は東西に約140kmの距離がある細長い県です。
東の鳥取市と西の境港市では約120kmの距離があり、どちら方面に行くかで最速・最安の行き方が異なります。
鳥取市へ行く場合
山陰、山陽、関西が出発地であれば車が最速・最安の移動手段です。
例えば、大阪から鳥取市までの所要時間は約2.5時間、高速料金は約2,500円(ETC割)です。
車を運転しない方であっても各地から高速バスが出ており、3,000〜5,000円と少し費用は高くなりますが、同じような時間で着きます。
山陰、山陽、関西以外だと飛行機が最短、最安の移動手段になります。
鳥取市には鳥取砂丘コナン空港がありますが、羽田空港からのANAの発着しかありません。
関東在住の方は羽田から鳥取砂丘コナン空港へ向かうのが最速・最安です。
他の地域の方は羽田経由で鳥取砂丘コナン空港へ向かうか、各地からの発着がある境港市の近くの空港(出雲大社縁結び空港)から車・バス・電車で鳥取市へ向かうのが最速・最安です。
境港市へ行く場合
山陰、山陽、関西が出発地であれば、車・バス、場所によっては飛行機が最速・最安です。
島根、岡山、広島からであれば車・バスで2.5〜3時間で境港へ行けます。それ以外の地域だと、飛行機が最速・最安です。
各地の空港から出雲縁結び空港へ行き、車で境港市へ向かうのがベストです。
*山口が出発地の場合は微妙。山口宇部空港から出雲縁結び空港への発着は無く、車・バスで向かうと4時間以上かかります。
全国からのアクセスが良くない鳥取ですが、逆に言うと海外観光客が少ない場所でもあります。
鳥取、島根にはチャーター便しか国際線が無く、実際にほとんど海外からの観光客はいませんでした。
グルメ、温泉、観光地と現地に着けば楽しいことがたくさんの鳥取。インバウンドの影響も少なく、物価も安い。
一度訪問すれ魅力が多くリピートしたくなる県です。是非、一度訪問してみてください。
以上「鳥取を横断して松葉蟹と親がにとミシュランを楽しむ美食旅1泊2日|味暦あんべ、かろいち、境港など」でした。
鳥取の県のその他観光スポットやグルメについても、本ブログで紹介しています。
⇒参考)鳥取の観光記事まとめ
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