「ポルトガルの食事は日本人に合う」と聞いて関西から5泊7日の旅程でリスボンとポルトに滞在しました。
ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルの人口は約1,000万人(日本の約10分の1)、面積は92,150km2(日本の4分の1)の小さな国です。
歴史は古く、1143年にポルトガル王国が成立し、大航海時代には、航海者ヴァスコ・ダ・ガマやフェルディナンド・マゼランなどが世界中を探検し、ポルトガルはブラジルなどの広大な植民地帝国を築きました。
文化はファドという感傷的な歌や、タイル装飾(アズレージョ)が伝統的な芸術様式として広く知られています。
食文化は、魚介類を中心としたシンプルで味わい深い料理が多く、米を日常的に使用するためヨーロッパの中では日本の食文化に近いです。
実際、ポルトガルから日本に伝わった料理やお菓子も多く、天ぷら、コロッケ、ばってら、カステラ、金平糖などはポルトガル由来です。
現地で食事すると酒のアテとして枝豆も出てきました。
ポルトガル独自の料理はバカリャウ(干し鱈)を使った料理が有名で、スーパーやレストランなど何処でも提供されています。
また、ペイシュ・グレイシュ(魚のグリル)やカタプラーナ(魚介鍋)なども人気です。デザートには、パステル・デ・ナタというカスタードタルトが有名です。
観光では、ポルトガルは美しい景観と歴史的な都市が多いです。リスボンやポルトなどの大都市でも歴史的な建築物や博物館、文化的な名所が街並みに溶け込んでいます。
実際にグルメや観光するとブログや動画などのWEBでは出てこない良い点、悪い点もありました。
グルメと観光中心の記事ですが、実際の現地の治安や交通、物価など旅行する際に重要な情報も共有します。
【ポルトガル旅行記】リスボンとポルトのグルメと各地の実態を解説
先ず、日本⇔ポルトガルの移動は少ししんどいです。
日本⇔ポルトガルは直行便が無く、必ず何処かで乗り継ぎする必要があります。
最短でも約20時間の移動になるため、1週間など纏まった休みが取れないと現地滞在する時間が足りません。
今回は乗り継ぎ1回で、かつコスパの良い航空会社「エティハド航空」を利用。お盆期間にも関わらず、サーチャージ込みで往復16万円/人と非常に安価でした。
(ANAの提携航空会社でANAマイレージも貯まる:約1万マイルでした)
一方、飛行機の機体はボーイング787、最新のディスプレイ、独自の寝やすいヘッドレスト、食事もしっかりしていて、アルコール飲料も無料とサービスは文句なし。
乗り継ぎのアブダビ空港は2023年11月に総工費4,500億円をかけてオープンした新しい空港で未来都市感がすごい。
プライオリティパスで入れるラウンジ(パールラウンジ)には、バーカウンターや浴室を備えており、快適に過ごせました。
関空からリスボン(ポルテラ空港)まで不自由なく過ごしながら到着しました。
これから5泊をポルトガルで過ごします。
ポルテラ空港からリスボンの市街地まで約6kmあり、移動手段はバス、電車、タクシーの3つです。
ポルトガルのタクシーは日本の約半額と安価なためUBERで配車しても良かったのですが、あえて電車で市街地へ向かいます。
リスボンの主要な観光地の入場料と公共交通機関が無料になるリスボアカードの1日券(27€/人)を活用するためです。
到着ゲートを出て右手に進んだところに販売所があり、クレジットカードを使って購入しました。
販売所からmetroと表記のある看板に従って地下へ降りようとしましたが、エスカレーターが故障中。。。重いキャリーケースを持ち上げて階段を降ります。
(他の駅も利用しましたがリスボンの地下鉄にあるエスカレーターやエレベーターは8割方、故障中でした)
リスボンで重い荷物を持つときは地下鉄を使わない方が良いですね。知り合いのポルトガルの人もリスボンの地下鉄は最悪と言ってました。。。
ポルテラ空港からリスボンの市街地へ向かうには乗り換えが必要です。ポルテラ空港⇒アラメダ(赤線)⇒ロシオ(緑線)の順に乗り換え約30分で着きました。
1日目:リスボン
ポルトガルの首都であり、同国最大の都市。大西洋に面し、テージョ川の河口に位置するため、古くから海上貿易と航海の中心地として栄えてきました。
ベレンの塔や発見のモニュメントなどの大航海時代を記念する有名なランドマークや、マヌエル様式の美しいジェロニモス修道院など歴史的な建築物も多いです。
本日はリスボンの土地勘を掴むために街を散策します。
まずは荷物を預けるために宿へ向かいます。シアードというロシオの西にある宿ですが、坂がすごい。。。
リスボンは「7つの丘の街」と言われるほど坂が多い。
緑線内が丘になっており、左側(西側)はシアード地区、右側(東側)はアルファマ地区と呼ばれています。丘と丘の間は平地となっており、バイシャ地区と呼ばれております。
景色が綺麗なことだけ取り上げられていますが、実際に散策するとなると話は別。
重い荷物を持っての移動はしんどく、坂を登るトラムはキャリーケースは持ち込み禁止で利用できません。
我々はもちろんベビーカーと一緒に乗ろうとした夫婦も乗車拒否されていました。
ガタガタの石畳の坂をキャリーケースを引きずりながら徒歩で登ること10分、くたくたになりながらシアードに着きました。
シアードは絶景で有名なサンペドロ・デ・アルカンタラ展望台のある高台ですが、ここは徒歩で行くべきでは無い。回り道でもUBERか公共交通機関で行くべき。
荷物を本日の宿「シアード・アーティ・フラッツ」へ預け、リスボンを散策開始。
先ずは2025年、アジア初で大阪への進出を決めた大規模フードホール「TIMEOUT MARKET」へ向かいます。
なだらかな坂のアレクリン通りをカイスドソドレへ向って降っているとカトラリーで有名な「クチポールの本店」を発見。
店舗やオンラインでグローバルに商品展開していますが、ポルトガル限定カラー(緑と紫)のカトラリーがあるとのこと。
自宅用とお土産用に限定カラーの在庫を全て購入しました。
海沿いのカイスドソドレに到着。TIMEOUT MARKETで食事しようと思っていましたが、美味しそうな看板が目に入りました。
「Casa Portuguesa do Pastel de Bacalhau」というバカリャウのコロッケを提供するチェーン店(ポルトガルに11店舗を展開)です。
看板の誘惑に負けて店内へ。明るくクラシカルな雰囲気の店内には名物のバカリャウのコロッケやポルトワインの展示がありました。
スタッフに何が人気か伺うとバカリャウのコロッケとポルトワインがセットになったメニューと回答を得たので注文。
次いでにポルトガルビールも頼みました。ポルトガルビールは主に2種類あり、産地が異なるようです。
北側のビールはSUPER BOCK、南側のビールはSAGRESという銘柄です。
ここはSAGRESのビールを採用しており、南国の雰囲気に合う苦味が少なくすっきりと軽い味わいです。
なお、ポルトガルの知人にどっちが好きか聞くと、圧倒的にSAGRESとのこと。
SUPER BOCKは今やポルトガルのビールでは無いと興奮気味に言ってましたが、何か事情があるのでしょうか。
何であれビールの味だとSAGRESの方が美味しく感じるのは私も同意。
バカリャウのコロッケは、ほんのりとした塩気のシンプルな味わいです。確かに美味いですが絶賛するほどには感じませんでした。
妻と妻の母が頼んだポルトワインも甘すぎるらしい。
ポルトガル料理の一食めに感動が無かったことに不安を覚えつつもTIMEOUT MARKETへ向かいました。
カイスドソドレからTIMEOUT MARKETまでは平地を歩いて5分くらい。
後にUBERの運転手から聞いた話だがカイスドソドレは少し離れたところにナイトクラブがあるせいか、夜はあまり治安が良くないそう。
昼間はオシャレなシーサイドの雰囲気だったので驚きです。爽やかな海風に吹かれながら歩いているとTIMEOUT MARKETに到着。
館内には巨大なホールが2つあり、1つはフードコート、もう1つは野菜や魚介などの生鮮食品売場です。
観光客はフードコート、現地民は生鮮食品売場と訪問目的が違うようです。
フードコートにはポルトガルの名店が並んでいます。ステーキならCafé de São Bento、アイスクリームならSantini、エッグタルトならManteigariaと何でもござれです。
⇒参考)TIMEOUT MARKETの一覧はこちら(約50店舗)
特にManteigariaは、リスボンのPastéis de Belémと並ぶエッグタルトの2大巨頭であり、ポルトに本店を構える名店。
食べ比べするなら是非立ち寄りたい店舗です。
とはいえ昼ごはんは宿のオーナーに紹介してもらったシアードの地元民向けレストラン「Sinal Vermelho」で食べたかったので断念。
シアードへ向かって歩いていると「ピンクストリート」というアンブレラスカイが有名な通りに出ました。
色とりどりの傘が吊るされており日除として機能しています。
元々、ポルトというポルトガル第2の都市の近くにある「アゲダ」という地域から世界的に広まり、熱中症対策の装飾として利用されています。
日本でもハウステンボスやジャズドリーム長島などで見かけます。
ピンクストリートの観光客向けの飲食店を横目にシアードの坂を登ること10分、明らかに観光客向けでない通りにSinal Vermelhoがありました。
店内は派手な装飾など無く、照明も自然光頼りで控えめ。日本で言うところの下町の定食屋ぽい雰囲気です。
一方、メニューはポルトガル語の他、英語、スペイン語など言語が充実しており、観光客もちらほら。
地元民向けではあるようですが、聞いていた話した異なり観光客にも利用しやすいレストランです。
美味かったのはもちろん、ローカルっぽい雰囲気で食事できて大変満足。
宿に戻りオーナーへ良いレストランを紹介してくれたことへ感謝の意を述べ、チェックインしました。
シアードの高台に位置するアパートメントで、エクストラベッドを含め3人まで宿泊可能。
ポルトガルは2名までしか宿泊できないホテルも多く、3名以上で宿泊の場合はアパートメントが便利です。
また、エレベーターが無いアパートメントも多く、キャリーケースを階段で昇降するしかない場合があります。
なお、シアード・アーティ・フラッツはエレベーターを備えており、荷物を階段で昇降しなくて良いです。
建物自体は年季が入っていますが、室内は綺麗にリノベーションされており日本のデザイナーホテルのような印象。
窓からはカイスドソドレへ続く大通りが見えます。
バスタブとシャワー、トイレも付いており非常に快適な客室です。
アパートメントの詳細は別記事に纏めています。
⇒参考記事)リスボンとポルトのおすすめアパート4選
部屋で小休憩の後、宿から徒歩約5分の位置にあるサンペドロ・デ・アルカンタラ展望台へ。
リスボンの市街地を一望できるため数々の旅行パンフレットに絶景スポットとして紹介されています。
景色の奥の方に何やら城跡が見えます。近くの観光客へ尋ねると有名なサン・ジョルジェ城のようです。
よし行こう!
ロシオ広場までトラムで降りていき736番のバスへ乗車すると細くうねったアルファマ旧市街を颯爽と走っていきます。
ロシオ広場から約30分でサン・ジョルジェ城の前まで行けました。城門をくぐると入場チケットを購入するために長い列ができています。
サン・ジョルジェ城の入場料は15€/人ですがリスボアカードを持っていれば、ほぼ並ばずに無料で入場できます。
チケットカウンターでリスボアカードを提示すると、バーコード付きの入場券が発行されます。それをセキュリティゲートのセンサーにかざすと入れました。
サン・ジョルジェ城はアルファマ地区を見下ろすように立っており、リスボン市内やテージョ川のパノラマビューを楽しめます。
アルカンタラ展望台よりも市内全体が見下ろせる位置取りのため景色的にはこちらの方が綺麗。
この城の歴史は古く、紀元前のローマ時代やムーア人による占領を経て、12世紀にポルトガル王国の手に渡りました。
その後、何度も改築や修復が行われ、特に16世紀のマヌエル1世の治世中に大幅に強化されました。
そのため保存状態良く当時の砲台や中世の城壁や塔などが残っており景色だけでなく、城内の展示物も楽しめます。
全部を見回ると約1時間くらいかかります。また当時のままの城なので足元が不安になる場所もあります。オシャレな靴よりも歩き慣れたスニーカーなどで訪問した方が良いです。
気がつけば18時。ポルトガルの夏は日の入りが遅く21時くらいまで明るいです。
晩御飯の予約を入れていたレストラン「Copo de Mar」へ向かいます。シーフードを中心としたメニューを提供しており、新鮮な魚介類を使った料理が特徴。
ポルトガルの伝統的な料理を取り入れつつ、モダンなアプローチで調理されたシーフード料理が楽しめる地元民が通うレストランです。
グリルした魚やエビ、貝類、ポルトガル名物のバカリャウを使った料理など、豊富なシーフードの選択肢が並んでいます。
地元民に人気のため、あらかじめ予約をした方が安全。ポルトガルの地元民向けレストランにしては珍しくGoogleのレストラン予約からオンライン予約可能。
リスボンで食べた食事の中では一番好みでした。
部屋に戻って就寝。翌日はポルトガル第2の都市「ポルト」へ向かいます。
2日目:リスボン→ポルト
ポルトガルの朝は早い。6時に鳥の声で目覚め、ひんやりとした早朝の空気を吸いに宿の外へ。
気温は12℃と日本の8月ではありえないくらい涼しい。ごみ収集業者が至る所に設置されたゴミ箱からゴミ回収しているのを眺めながら客室へ。
朝食はパン、ハム、チーズ、ヨーグルトなど軽い洋食。やはりヨーロッパのパンは日本のものと比べて美味いものが多い。
腹を満たしチェックアウト。客室の鍵を回収ボックスに入れ、ポルトへ向かいます。
まずはシアードからバスでカイスドソドレへ。
リスボンからポルトへ向かう方法は主に3つ。レンタカー、高速バス、電車で約3時間で着きます。
まずレンタカーですがポルトガルは右側通行と日本の交通ルールと逆で3時間も運転したくないので却下。
バスは料金が10€/人以下、Wi-Fiあり、トイレありと一見は良さそうですが渋滞による遅延や運転手に言わないとトイレが使えない場合があるなど不安要素あり。
電車は25€/人程度と高いが、ほぼ時間通り着くしトイレも自由に使える、座席が広いなどのメリットがあります。
今回は時間効率と快適さを優先して電車でポルトへ向かいます。チケットはOMIOなどの予約サイト/アプリを使えばWEBから事前予約可能で早割もあります。
カイスドソドレ駅からリスボンの高速鉄道の出発駅であるサンタアポローニャ駅へ地下鉄で行きます。リスボンの街中でなく少し離れた場所にあるのが新大阪駅ぽい。
電車の側面に書いてある号車(carruagem)と、電車内の座席(lugar)を確認し乗り込みます。
キャリーケースは盗難防止のため目につく位置に置いておき出発。
最高速度は約220km/hと新幹線よりもゆっくりです。
国土は日本の約4分の1、人口は約10分の1と日本に比べ人口密度が低いためか何もない平野の景色が続きます。
途中、ポルトガル第3の都市「コインブラ」に差し掛かると街並みが見える程度。
まどろみながら電車に揺られていると高速鉄道の終着点「カンパニャン駅」に到着。
カンパーニャ駅からポルト(サンベント駅)へ向かう電車に乗り換え車窓を眺めていると全長897kmの巨大なドウロ川と大きな橋が見えてきました。
ドウロ川はスペインを水源としてポルトガルに流れてきており、ポルトガルとスペインの近さを実感しました。
サンベント駅に到着。1916年に完成してから現在まで利用されている歴史的な駅です。
また、ポルトガルの伝統的なタイル「アズレージョ」が美しいことでも有名。20世紀初頭にポルトガルのアーティスト、ジョルジュ・コラコが制作したもので、約2万枚のタイルを使用して描かれています。
ひとしきり駅を眺めた後にランチです。
2日目:ポルト
ポルトガル北部に位置する第2の都市。ポルトガルという国名の由来にもなるほど古い都市でポルトガルらしさを感じられます。
美しいドウロ川沿いの風景(リベイラ地区)とポートワインの生産(ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区)で有名。
リベイラ地区とヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を隔てるドウロ川に架かるドン・ルイス1世橋は2層構造の橋で高台同士と低地同士を別々に繋いでいます。
グルメはリスボンと同じく海鮮の他、エッグタルトの名店「マンテガリア」や至高のB級グルメ「フランセジーニャ」「ビファーナ」も有名。
フランセジーニャはボリュームたっぷりのサンドイッチ。ハム、ソーセージ、ビーフなどをパンで挟み、上からチーズとピリ辛ソースをかけて焼いたポルト名物。
ビファーナはポルトガルの伝統的なハンバーガー。スパイスとニンニクで風味をつけた薄切りの豚肉をパンに挟んだシンプルな料理です。「Conga」という店が有名。
まずはランチを食べるためサンベント駅に隣接する「TIMEOUT MARKET」へ。
リスボンより規模は小さいですがポートワインやフランセジーニャなどポルト名物のラインナップが多い。
空腹の限界に達していたためガッツリのフランセジーニャを注文。
一見するとボリューム感が無いですが密度が高い。チーズ、ハム、ビーフ、パン、ピリ辛ソースとお腹にずっしりとくる中身です。
世界的に売り出しても人気が出そうなくらい美味しかったですが、特にビールとの相性が最高。
重いフランセジーニャをビールで流し込むように食べる瞬間は至福の時でした。
お腹も満たされ宿へ向かいます。道中、ドン・ルイス1世橋の上からポルトの景色を一望しましたが、絶景です。
本日は「Porto view by Patio 25」というヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区のアパートメントに宿泊。
ドン・ルイス1世橋の目の前という贅沢な立地でドウロ川沿いのワイナリーやレストランへのアクセスも良い。
管理人不在の宿なのでエントランスと客室の鍵が入っているキーボックスのパスワードを聞かないといけない。
Booking.comとWhatsAppのメッセージ機能を使ってやり取りしていましたがキーボックスの番号は電話で教えるとのこと。
WhatsAppの無料通話でキーボックスの番号を教えてもらい客室へ。
※ヨーロッパ行くならWhatsAppはあった方が良いです。LINE使っている人は少ないし電話を求められた場合、普通に国際電話すると通話料が高いです。
客室はメゾネットタイプとなっておりリビングの他、それぞれのフロアに寝室とトイレがありました。
窓からはドン・ルイス1世橋とドウロ川が見える完璧な宿。
⇒参考記事)リスボンとポルトのおすすめアパート4選
少しの休憩後、ワイナリーとレストラン街を散歩。ワイナリーは予約すれば見学も可能ですが時間の都合上行きません。
ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区のワイナリーは店舗で自社のワインやワインを使ったカクテルを提供している場合があります。
今回は最も知名度が高い「サンデマン」の店舗でカクテルを頂きます。
18時頃に向かいましたが既にテラス席は、ほぼ満席。少し待つと空席ができたので着席。
続けて晩御飯へ向かいます。ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区で人気の高いポルトガル料理のレストラン「Tempêro D’Maria」です。
店前までやってきましたが人気店のため満席です。WEB予約できないため店の外で空席を待つこと20分、店内へ案内されました。
「Tempêro D’Maria」は個人的には、とても美味しいポルトガル料理屋でした。食事が美味しすぎてお酒を飲み過ぎてしまいました。
おやすみなさい。
3日目:ポルト
ピーピーと甲高い鳥の声で目覚めました。
夏場のポルトガルは乾季であり、全く雨が降らない年もあるときいています。本日も快晴です。
眠気覚ましにヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を散歩します。昼夜は人で混雑している地区ですが、早朝は殆ど人を見かけません。
澄んだ空気を深く吸い込みながら開店前の飲食店やワイナリーの前を歩いていると人集りを発見。早朝のドウロ川を運航する遊覧船乗り場のようです。
朝のテラス席でカフェしようと思っていましたが空いている店は奥の方に1軒だけ。早朝7時から営業している「Cafe SORAYA」です。
妻や義母と一緒に行くには遠いため朝カフェは断念。何かしらの飲物を探していると運良く自販機(Grab&Go)を発見。
ポルトガルには基本的に24時間営業のコンビニは無く早朝から飲物を購入するのは難しいようです。
水とジュースを購入。
客室へ戻りアパートメントをチェックアウト。
本日はヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区の対岸(リベイラ地区)を見ていきます。
一旦、キャリーケースを預けるため本日のアパートメント(Casa Astoria)へ向かいますが、荷物を持って坂を登りたく無い。
昨日の宿は低地側でしたが本日の宿は60m高い位置にある高地側なのです。
2層構造の橋の下側を歩いてリベイラ地区へ向かっていると有料のエレベーターを発見。
片道4€/人と高額ですが、背に腹は変えられない。
お金を支払って高地側へ向かいましたが、めっちゃ楽。
エレベーターを降りてアパートメントの正確な位置を確認すると、運が良いことに近くでした。
アパートメントの外観は古いですが、古き良きポルトガルの家屋っぽさが評判の宿。
加えて、客室からドン・ルイス1世橋を眺められる眺望の良さから予約が難しいとの口コミ。
例によってアパートメントの入り口はダイヤル式の電子錠で施錠されていましたが、事前やり取りで番号を入手済。
中に入るとスタッフが出迎えと水を出してくれました。荷物を預けてポルト観光します。
現在は未だ7時。15時のチェックインまでたっぷりと時間があります。川沿いから離れて北側にある観光の中心地へ向かいます。
「世界一美しいマクドナルド」、ハリー・ポッターの作者が通った「カフェ・マジェスティック」、造形が美しい「レロ書店」など数々の観光地があります。
リスボンよりも古い街並みのため、歩きにくい石畳の道が多いですが、幸にして坂のきつさはリスボンよりもマシ。
カフェ・マジェスティックを通り過ぎて、海鮮、野菜、果物、名物の缶詰などを販売しているボリャン市場へ向かいます。
ボリャン市場で朝食を食べようと思っていましたが生憎と休業日でした。定休日は日・祝ですが何故か木曜日(本日)も休みでした。。。
辺りを見回すとエッグタルトの名店「マンテガリア」がありました。未だポルトガルに来てからエッグタルトを食べていないことをに気づき、朝食の代わりにします。
カフェとエッグタルトの店舗が併設しており、それぞれの店舗で購入した商品をイートインで食べられるシステム。
まずはカフェでコーヒーを注文。
ポルトガルではアイスコーヒー文化は定着しておらずホットのみの店舗が多い。この店舗では「Cold Brew」があったので注文。アイスコーヒーです。
妻はブラックコーヒーが飲めず「アイスカフェオレはあるか?」と尋ねましたが無いようです。
(カフェ・オ・レ ジェラードと言えば出てきたかも)
エッグタルトの店舗へ行くとディスプレイにこんがりと焼き目の付いた美味そうなタルトがありました。
価格は1.1€/個と安価で直ぐに購入できるためポルトガルではお手軽スイーツとして人気です。
特に「マンテガリア」は「パステイス・デ・ベレン」と並ぶエッグタルトの人気店。
パステイス・デ・ベレンよりも味付けが甘めとのこと。コーヒーとの相性が抜群です。
美味かったので、もう一つ買いに行くと丁度焼き上げのタイミングだったようでアツアツのタルトが出てきました。
口の中を火傷するぐらい熱いエッグタルトはとろけるような舌触りと甘い香りで、先ほど食べたものよりも圧倒的に美味しかったです。
小腹を満たした後、アズレージョが美しいと有名な「アルマス聖堂」へ向かいました。
ポルトガル・ポルト市の中心部に位置する美しい教会です。
18世紀に建てられ、主にバロック様式でデザインされており、特徴は20世紀に追加された「アズレージョ」と呼ばれる青と白の陶器タイル装飾です。
キリスト教にまつわる聖書の物語などに関する場面が描かれています。
教会は一般公開されており、ミサやその他の宗教行事も行われています。
美しい建築つながりで、続けて世界一美しいマクドナルドへ向かいます。Googleマップに写真が掲載されている店舗へ向かいましたが様子がおかしい。。。
写真では一つの独立した店舗ですが、現地へ行ってみるとショッピングモールです。
インフォメーションに聞くと、このショッピングモールにもマクドナルドが入っている(Catarina)が別の店舗のようです。
実際はサンベント駅の近くにある「マクドナルド・インペラドール店(McDonald’s Imperial)」でした。
このマクドナルドは「カフェ・インペラドール」という歴史的なカフェだった建物を利用しており、アール・デコ様式の建築が特徴です。
特に目を引くのは、大きなガラス窓や、店内にある豪華なシャンデリアと美しいステンドグラス。店の外観には古風な彫刻や大理石の装飾が施されいます。
なお、食事は他のマクドナルドと同様のメニューです。
そろそろ昼食の時間ですが生憎とこのマクドナルドは混雑し過ぎています。豚肉をバンズで挟み、ピリ辛ソースをかけたビファーナの名店「Conga」へ向かいます。
道中、ポルトのランドマークタワーであるクレリゴス教会に寄りましたが予約制になっており、8€の入場チケットを先に購入して15時に再訪することになりました。
ついでにハリーポッターに登場する「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店」のモデルとも言われるレロ書店にも立ち寄りましたが、3時間待ちと言われ断念。。。
公式ホームページから事前にオンライン予約しないと夏場などの繁忙期に入るのは難しそうです。
クレリゴス教会の入場時間である15時まで、まだ約2時間あります。
Congaも近くにあるため徒歩で向かうと道中にポルト市役所。
店前まで辿り着くと、数名が軒先に並んでおり、噂に違わぬ人気っぷりが伺えます。
B級グルメ特有の回転の速さで並びは10分程度で解消され店内へ。
直ぐにテーブル席へ案内され、ビールとビファーナを注文。
普通のビファーナは3€、チーズ入りビファーナは3.5€とリーズナブル。がっつりと豚肉が挟まっているので満足感もある。
ガーリック、白ワイン、パプリカ、ローレルなどでマリネした豚肉が柔らかく香りが非常に良い。唐辛子と塩を混ぜたピリ辛のオリーブオイルとの相性が良く、見た目に反して食感が軽い。
また、ビール大(Caneca:500ml)は3.3€であり全部食べても10€でお釣りがくるコスパの良さです。
行列ができるのも納得の味と価格。今度ポルトガルに来たら必ずリピートします。
クレリゴス教会の入場時間が近づいてきました。ランドマークタワーなので遠くからでもしっかり視認でき地図不要で歩いていけます。
15時の入場組に並んで中に入ると、少なくとも1時間の見学コースがあります。
「クレリゴス」とは聖職者という意味で、彼らのために18世紀半ばに建築家ニコラウ・ナザレーノによって建築されました。
バロック様式の教会で、美しい外観と内部は木彫りや金箔の装飾が施された祭壇など、バロック芸術の豊かさが反映されています。
また、ポルト全体を見渡せる高い鐘楼でも有名です。
高い鐘楼はクレリゴスの塔と呼ばれ高さ約76メートルの高さがあります。240段の階段を登ると、頂上からはポルトの街全体が一望できます。
ドウロ川や赤い屋根の建物を眺めていると、ノスタルジックな気持ちになってきます。
そろそろ宿(アパートメント)のチェックインの時間。スーパーに寄り道して飲み物やお土産を購入してから宿へ向かいます。
スーパーはポルトガルで300以上の店舗を展開する「Pingo Doce」。
主に地元の方が利用するスーパーですが、最近は旅行者も飲料や軽食の購入に利用するようです。
ここではポルトガル現地の相場観を知ることができます。
観光客が行くレストランでも、そこそこ安いと思っていましたがスーパーは別格。
水:1.5L×6本で1.68€、ビール:1Lで2€、ワイン:安いものだと750mlで1.99€など、日本のスーパーより安いです(1€=160円換算)。
バカリャウや野菜などの生鮮食品もありましたが、生憎と調理する機会が無いので購入せず。
飲料の他、お気に入りのGALLOのオリーブオイル、お土産用の缶詰や石鹸や塩などを購入しました。
アパートメント(Casa Astoria)に着くと、スタッフが客室へ案内してくれました。
Casa Astoriaは、1830年に建築された歴史的な宿泊施設であり、エレベーターやエアコンが無いなど機能面では少し不便なところがあります。
一方で、その他は現代的な設備を備えています。Wi-Fiや設備の整ったキッチン、綺麗なベッド、独立したシャワールームなど快適です。
また、立地はポルトの中心部に位置しており、リベイラ地区やドン・ルイス1世橋といった観光名所まで徒歩圏内と便利です。
宿泊した客室は最上階の3LDKの間取りだったので景色も良く、快適な環境です。
アパートメントの詳細は別記事に纏めています。
⇒参考記事)リスボンとポルトのおすすめアパート4選
さて、晩御飯へ向かいます。
本日は昨日食事したヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区の対岸「リベイラ地区」で晩御飯を食べます。
ポルトの中心街側ということもありリベイラ地区の方が賑わっています。
事前調査の結果「Chez. Lapin」というレストランが美味そうだったので入店。
こちらではポルトガル料理と地中海料理を提供しています。ドウロ川沿いの美しい景観と、歴史的な雰囲気の中で食事が楽しめることから評判が高いです。
1938年から営業しており、地元の人々や観光客に愛されています。
屋外テラス席では、ドン・ルイス1世橋やセラ・ド・ピラール修道院を眺めながら食事できます。
料理は特に「バカリャウ」や「カラコイス」(エスカルゴ)などが人気。
伝統的な野菜のスープ(3.5€)、シーチキンサラダ(12€)、ムール貝のパスタ(23€)、タコのオーブン焼き、グラタン、グリーンワインなどを注文。
ポルトガル料理というよりは地中海料理寄りのメニューが多かったです。
味はもちろん美味しかったですが、ポルトガル料理を食べるという簡単では昨日の「Tempêro D’Maria」の方が良く、味的にも好みでした。
価格は3名で110€とワインのボトルを卸したにしてはリーズナブル。
ボリュームのある料理が多く、安くいっぱい食べたいならChez. Lapinかなという感じでした。
ライトアップされたドン・ルイス1世橋を眺めながらアパートメントに帰りました。
明日は午前中にボリャン市場で軽めの朝食を摂り、ポルトガルの有名な食器屋「コスタ・ノバ」を見てからリスボンに戻ります。
おやすみなさい。
4日目:ポルト→リスボン
犬みたいな声で鳴く鳥に起こされました。
6時前に起床したのでドン・ルイス1世橋の上から日の出でも見ようと散歩に出かけました。
時々トラムが来て橋の往来人を運んでいます。
うっすらと明るくなりかけている朝空を見ていましたが、日の出の時刻である6:45にはドン・ルイス1世橋の上から日の出を見られませんでした。
東側の山の裏に隠れている模様。
残念ですが日の出は諦めて客室へ戻り、宿に荷物を置いたままボリャン市場へ向かいます。
ボリャン市場は、1914年に開設された歴史的な市場です。
市場の建物はネオクラシカル様式で設計されており、開放的なアーチや広々とした内部空間が特徴。
地元で生産された新鮮な果物や野菜、魚介類、肉類、チーズ、オリーブオイルなどが販売されており、特に魚介類が豊富です。
現地の方はもちろん、観光客にも人気のスポットで、地元の雰囲気を感じながら食材を購入したり、ポルトガルの伝統料理を提供する小さな食堂で食事も楽しめます。
食材を購入して調理する予定は無かったので、新鮮なフルーツのスムージーやカットしたてのサラミなどをいただきました。
その後、友人へのお土産にポルトガルの唐辛子ソース「ピリピリ」を購入。
ポルトガルがアフリカを植民地にしていた時に、アフリカの唐辛子「ピリピリ」を使ったのがソースの名前の由来です。
唐辛子、オリーブオイル、ニンニク、ビネガー、レモン汁、塩などから作られておりビファーナのソースとしても使われます。個人的には大好きなソース。
続けてコスタ・ノバへ向かいます。
コスタ・ノバはポルトガル発の高品質なテーブルウェアブランドで主に食器やキッチン用品を製造しています。
日本を含めて世界中に店舗がありますが、特にポルトの店舗がオシャレとの情報を得て行きました。
ブランド名はポルト近くのリゾート地「コスタ・ノバ」の美しいビーチや自然からインスパイアされて名付けられています。
食器は石器を使用しており、耐久性が高く、温度変化に強いため、電子レンジや食洗機にも対応しています。
シンプルかつ洗練されたデザインが特徴で、自然の美しさを取り入れた柔らかい色調が多く、シンプルが故に使い勝手が良く世界中にファンがいます。
波や海岸線を連想させる形や模様が施されたデザインが多く、リゾート感を感じられる製品が豊富です。
30%オフのセール品コーナーにあったコルクのカバー付きグラタン皿のデザインが気に入り、購入しようと思いましたが重かったので持ち帰りに不便と感じ断念。
そろそろリスボンへ戻る時間。
急いで宿へ戻って荷物を回収してチェックアウト。サンベント駅まで歩いて、行きと同じく高速鉄道でリスボンへ戻りました。
また来ます、ポルト。
16:30にサンタアポローニャ駅へ到着。
午前に結構歩いたせいか疲労困憊です。ぼったくられるリスクがあるので使いたくなかったUBERを解禁します。
やはり楽ですね。
(実際、帰国時のタクシーでぼったくられましたが、UBERのシステムを介して簡単に返金してもらえました)
本日と明日の宿泊先であるロシオ広場の近くにあるホテル「Liberator Rossio」まで運んでもらいましたが、料金は約6€。
サンタアポローニャ駅からロシオ広場までの距離が約3kmなので日本のタクシーより格安です。
Liberator Rossioは家族向けの客室を含む様々なタイプの部屋を提供しており、3名が宿泊可能な客室もあります。
すべての客室で無料Wi-Fi、エアコン、専用バスルームなどの快適な設備が整っています。
客室の窓からはロシオ広場を一望できます。
また、共用部分には自販機や荷物の預かりサービスもあり便利さと言う観点では、今回のポルトガル旅行で一番の宿でした。
唯一、1階から2階へ向かう手段が階段しかないのが難点でしたが、2024年9月以降に車椅子用の階段昇降機が出来上がるとスタッフが言っていました。
階段昇降機は既に設置済みで電源周りの工事が完了次第使えるそうです。もちろんキャリーケースなどの重い荷物の上げ下げにも使って良いと伺いました。
アパートメントの詳細は別記事に纏めています。
⇒参考記事)リスボンとポルトのおすすめアパート4選
さて、晩御飯の時間です。
本日はリスボンの旧市街であるアルファマ地区にあるレストランで晩御飯を頂きます。
アルファマ地区はリスボンで最も古い地区の一つで、迷路のような狭い石畳の通りや階段、古い建物が特徴です。
かつて、リスボンがムーア人の支配下にあった時代に遡ってアラブ風の影響を色濃く受けた街並みが残り、中世からの伝統的な生活様式が引き継がれています。
ロシオ広場からUBERに乗車し約10分でアルファマ地区の麓まで到着。ここからは狭い路地のため徒歩でレストランまで向かわなくてはなりません。
石畳を小気味よくステップしながら歩くこと5分で本日のレストラン「Tu & Eu」に到着です。
予約不可のレストランですが既に数名の列ができていました。
「Tu & Eu」は小さな隠れ家レストランで、温かみのある雰囲気と家庭的なサービスが魅力で、地元の人々に愛されている名店です。
メニューはポルトガルの伝統的な料理が中心。特にイワシのグリルやタコのポテト添え、肉と野菜の煮込み料理であるピカ・パウが人気です。
なお、現金のみの支払いなので注意が必要。20分ほど軒先で待っていると店内へ案内されました。
中に入ると小さなテーブル席がいくつか並んでおり、直ぐ奥には厨房が見えます。
下町の定食屋のような雰囲気です。
壁やテーブルにはお客さんのメッセージが至る所に書かれています。
スタッフに伺うと「書きたかったらマジックペンを持ってくるから言ってね!」と仰っていたのでお店公認のようです。
タコサラダ(14.5€)、エビのアヒージョ(12€)、ピカ・パウ(6.9€)、チョリソーのロースト(11.9€)、イワシのグリル焼き(11.5€)などを注文。
メニューを見ていて感じましたが「Tu & Eu」の価格帯は今まで訪れたレストランと比べてかなり安価です。
味付けも完全に地元向けであり、あっさりしていて好みです。1口目にガツンとくるインパクトのある味付けではなく、毎日通いたくなる定食屋の味。
食べ終えて会計を済ませようとするとスタッフが「ここのチョコレートムースは世界一だから是非食べてみて」と仰っていました。
3.5€だったので試してみると確かにこれは世界一!
お腹いっぱい3名で食べても約81.3€と圧倒的コスパでした。
会計後に「何かメッセージを書いて行かないか?」と言われたので入口近くのテーブル席の上に「美味しかった!有難う」と日本語で書いてきました。
2024年8月時点で日本語のメッセージは我々のしか無かったので、お立ち寄りの際はぜひ見てください。
もしリスボンに1週間くらい滞在するなら何度か通いたくなるレストランでした。
22時頃だったのでちょうど日が沈みきったタイミング。夜風が涼しく徒歩でホテルへ戻りました。
5日目:リスボン
明日の朝にはポルトガルから日本へ帰らないといけない。
名残惜しいが今日はポルトガルの美しいものを沢山見ておこうと思い、リスボン観光します。
ベレン、アウグスタ通り、シアードにある名所を巡っていきます。
先ずはベレンへ向かいます。ロシオ広場の直ぐ横にあるフィゲイラ広場から15Eのトラムへ乗ってベレンへ向かいます。
料金は3.1€/人でクレジットカードで決済できました。
ベレンではエッグタルトの名店「パステイス・デ・ベレン」、「ジェロニモス修道院」、「発見のモニュメント」、「ベレンの塔」を観光予定。
トラムを降りると目の前にはジェロニモス修道院。
後ろを振り返ればパステイス・デ・ベレンがあります。お腹が減っていたので先ずはパステイス・デ・ベレンへ向かいます。
パステイス・デ・ベレンは1837年に創業し、当時の修道院で作られていたエッグタルトの秘伝のレシピを引き継いでいます。
もともと修道院が経済的に困難な時期に、収益を得るためにタルトの製造が始まったそうです。
修道院秘伝のレシピを引き継いでいるため、同じ味を他の場所で再現することはできないと言われており、エッグタルトの元祖として有名です。
店内は広々とした空間でオープンな感じ。
サンドイッチ(3.8€)とエッグタルト(1.4€×6)、コーヒー(1.5€)を注文。
サンドイッチが先に到着しましたが、かなりボリュームがあります。中身はほぐされたチキンとレタス、トマトというシンプルな具材で朝食にちょうど良い。
続けてエッグタルトも到着。
ポルトで食べたマンテガリアとの比較になりますが、パステイス・デ・ベレンの方が甘さ控えめで生地がパリッとした食感です。
個人的にはパステイス・デ・ベレンの方が好み。
持ち帰りしたい場合は隣接のショップでも購入できます。
直ぐ近くにあるジェロニモス修道院へ。
ジェロニモス修道院は、16世紀にポルトガルの大航海時代を記念して建設されました。
ポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマが1498年にインド航路を発見したことを祝うためであり、修道院の建設資金はインド航路を通じて得られた香辛料貿易の収益によって賄われました。
マヌエル様式と呼ばれるゴシック様式にルネサンスやイスラム、海洋要素を取り入れた独特の建築様式が人気です。
マヌエル様式特有の海洋モチーフや、ロープ、錨、球体といった要素が散りばめられています。
修道院の内部も非常に豪華で、ヴァスコ・ダ・ガマの墓や詩人ルイス・デ・カモンイスの墓が置かれています。
ジェロニモス修道院は、1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。
空いてさえいれば見学したかったのですが、3時間待ちとスタッフに言われました。
流石に長すぎるので断念。
発見のモニュメントに向かいます。ジェロニモス修道院から海側へ5分くらい歩けば到着します。
発見のモニュメントは、大航海時代の偉業を称えるために建てられた高さ52mの壮大な記念碑。
最初は1940年にポルトガルの独立800周年とエンリケ航海王子の生誕500周年を記念して、リスボン万国博覧会の一環として一時的に建設されました。
しかし、その後、より永続的なものとして1960年に現在のモニュメントが再建されました。
デザインは、ポルトガルの彫刻家レオポルド・デ・アルメイダが担当し、古代のキャラベル船(帆船)を模し、船の先端にエンリケ航海王子が立っています。
その後ろに32人の探検家や航海者、王族、科学者、芸術家などの像が並んでいます。ヴァスコ・ダ・ガマや、フェルディナンド・マゼランなどの著名な人物も含まれています。
発見のモニュメントからテージョ川の河口へ沿って歩いていくと、ベレンの塔があります。
電動キックボードを使えばすぐに着きますが、海からの潮風を浴びながら歩くのも気持ちよい。
とはいえ気温は約30℃。暑いのでビールが飲みたくなる。
発見のモニュメントから徒歩約10分でベレンの塔へ到着。
ベレンの塔は、1514年から1520年にかけて建設された防御塔で、ポルトガルの大航海時代のシンボルの一つ。1983年にユネスコの世界遺産にも登録されています。
当時のポルトガル王マヌエル1世の命により、リスボン港を守るための防衛施設として建設されました。
塔の下部には大砲が設置され、テージョ川を通る敵艦を攻撃できるように設計されていました。
塔内には監視所や兵士たちの居住スペース、牢獄なども備えられており、実際に戦略的な役割を果たしていました。
ポルトガル独特のマヌエル様式で建設されており、ロープや球体、十字架など、航海や発見に関連した装飾が豊富に見られます。
デザインは、エンリケ航海王子の功績を記念するためのものであり、特に塔の上部には独特なバルコニーや石細工が施されています。
また、外観には、当時のポルトガルの象徴であるアルマダの十字や、様々な海洋モチーフが刻まれています。
例によって3時間待ちと言われたので内部には入りませんでした。
これからリスボンの大通り「アウグスタ通り」へ向かいます。
トラムで向かってもUBERで向かっても価格が変わらないためUBERを選択。
アウグスタ通りは歩行者専用通りで、リスボンの観光客や地元の人々が集まる活気あるエリア。
多くのカフェ、レストラン、ショップが並んでいます。
リスボンの主要な観光スポットであるコメルシオ広場からロシオ広場までを結ぶ、約500メートルの直線道路です。
アウグスタ通りがあるバイシャ地区は、1755年のリスボン大地震でほぼ全壊。その後、ポンバル侯爵が主導して都市再建が進められ、整然とした碁盤目状の街並みが形成されました。
この再建計画の中でアウグスタ通りはリスボンの主要な通りの一つとして整備されました。
道中には有名なサンタ・ジェスタのエレベーターがあります。
アウグスタ通りのシンボルは巨大なアーチ型の凱旋門です。
凱旋門には、ポルトガルの歴史を象徴する彫刻が施されており、上部にはポルトガルの独立と発展に貢献した人物たちの像が立っています。
内部にはエレベーターがあり、アーチの上に登ることができ、そこからリスボン市街やテージョ川の素晴らしい景色を一望できます。
凱旋門を抜けるとコメルシオ広場があります。
コメルシオ広場の位置は、かつてリスボン王宮があった場所です。1755年のリスボン大地震によってアウグスタ通りと同様に崩壊しましたが、その後に再建され、新たに商業活動の中心地となりました。
コメルシオとはポルトガル語で貿易という意味です。
広場は四角形の形状をしており、3方はアーチ型の連続した柱廊に囲まれ、南側はテージョ川に面しています。
広場の中央には、ポルトガルの国王ジョゼ1世の騎馬像が立っています。
ジョゼ1世は、リスボン大地震後の復興期にポルトガルを治めた王で、この騎馬像は、ポルトガルの復興と繁栄を象徴しています。
騎馬像は18世紀の彫刻家マシャード・デ・カストロによって作られました。
なお、アウグスタ通りとコメルシオ広場の周辺はスリが多いので注意が必要です。
凱旋門やサンタ・ジェスタのエレベーターのように見上げる名所が多く、上を向いているうちにスられることがあります。
実際、私の妻も現金をスられていました。
喉が渇いたのでリスボンの老舗カフェ「ア・ブラジレイラ」があるシアードへ向かいます。
1905年にブラジルから輸入されたコーヒー豆を販売する店舗として創業し、当時コーヒーが一般的ではなかったポルトガルにコーヒーを普及させました。
その後、カフェとしての機能を拡大しポルトガルの著名な作家や詩人たちが頻繁に訪れるようになりました。
店内は1920年代から残る装飾やアート作品が展示されており歴史的で芸術的な雰囲気の中、コーヒーを楽しめます。
コーヒーを飲みたかったのですが、喉が渇きすぎてビールを注文しました。
なお、コーヒーだけでなく食事も美味いと人気だそう。メニューを見ましたが確かに美味そう。
帰りにコーヒー豆をオススメされましたが、嵩張るため断念。
お土産を買いすぎてキャリーケースが一杯です。
さて、ポルトガル最後の晩御飯は、奮発して高級なレストラン「Pabe」でディナーします。
1970年に創業以来、伝統的なポルトガル料理と国際的な料理を融合させたメニューを提供しており、リスボンの上流階級やビジネスパーソンに愛されてきました。
創業当時から豪華で伝統的な内装と上品なダイニング体験が特徴です。
インテリアはクラシカルなウッドパネルやアンティークの照明器具、重厚な家具が特徴で、20世紀のヨーロッパのクラブやレストランのような雰囲気が漂っています。
着席し、お酒を飲みながら今回のポルトガル旅行に来て楽しかったと感想を述べ合っていると、魚が乗った台車がやってきました。
獲れたての魚を調理してメインディッシュにしてくれるそうです。
注文したものは以下の通り。
味付けは高級ホテルのレストランのようでしたが、ポルトガルっぽさを感じるかと言われると個人的には違うと思います。
決して不味いのではなく、日本の高級ホテルでも食べられそうな味という意味です。
旅行者というよりも、まさに現地の方の特別な日のためにあるようなレストランという印象です。
価格はビールやワインのボトルも降ろして3名で221.1€だったので高級ホテルのディナーと思えば、かなり安いと思います。
良い経験ができました。ホテルに帰って帰国の準備をして就寝。
6日目:リスボン→帰宅
5:00起床。これから日本の自宅へ帰ります。
8:55ポルテラ空港発のため、ロシオ広場にUBERを呼びます。
約11€で空港まで運んでくれるとのことで利用しました。
(後から明細を見ると、空港で降りた時に運転手が送迎完了ボタンを押さず、過剰な請求(約50€)がきていました。UBERに申し立てて返金済み)
空港に着いてプライオリティパスで利用可能なANAラウンジ(全日空とは関係ない)で朝食とビールを飲んで帰国です。
まとめ
公私ともども色んな国へ行きましたが、一番好きな旅行先がポルトガルになりました。
先ず食事が日本人の口に合う。素材の種類料理の味付けが日本に近いように感じました。
鉄砲伝来の時にポルトガルから日本に入った食文化も多く、共通項があるため違和感なく食べられました。
次に景色が綺麗。坂が多いことの裏返しですが、丘陵が多いので上から見下ろす景色、下から見上げる景色ともに素晴らしい。
特にドン・ルイス1世橋から見下ろした景色は一生記憶に残ると思います。
最後に人が良い。アパートメントやレストランでのスタッフとのやり取りのみならず、街中の地元民に色々尋ねても親切に対応してくれました。
ポルトガルでは日本語は全く通じないですが最低限の英語が話せれば都市部ならなんとかなると思います。
中にはスリをするような人もいますが、金品系の犯罪はあるにせよ、基本的に身の危険は少ないように感じました。
アウグスタ通り、ジェロニモス修道院など人通りが多い場所はスリに注意すべき。
悪かった点はインフラがボロボロ。特に地下鉄ではエスカレーターとエレベーターは使い物にならないと思った方が良いです。
ゴミが結構落ちている点も、些細ですが気になりました。観光客のせいかもしれませんが特に早朝は色んなゴミが落ちていました。
仕方ないことかもしれません。ポルトガルに来て15年のUBERの運転手が言っていました。
ポルトガルは建物やインフラは古くあまりお金をかけないけど「人」に投資すると。
学校教育は無料、病院も無料という「人」にお金をかける国だそうです。大航海時代に植民地を増やしすぎて、自国から人材が流れてしまった反省でしょうか。
素晴らしい制度だと思います。
総合すると最高の国です。物価は日本並みで食事は美味しく景色も綺麗。気候もからりとしていて人も良い。
必ずまた来ます。
後日談
リスボンからアブダビへ向かう飛行機で日本へ旅行するポルトガル人と仲良くなりました。
東京から関西、沖縄と家族旅行するらしく具体的に何処へ行くべきか教えてほしいと言われました。
彼が持っていた日本のガイドブックに書いてある観光地に○×をつけていたら大阪で晩御飯を奢ってくれることになりました。
せっかくなので英語メニュー皆無の天満を案内して食事し、色んなポルトガルの事情などを聞きました。
ちょっと前までタバコを吸う人は少なかったが最近は増えてきているとか、若い女性はフルーツカクテルを好む人が多いとか。
その中で旅行者に大事な情報があったのでシェアします。ポルトガルのベストシーズンはいつ?と尋ねると6月の終わりと9月の中旬と答えが返ってきました。
理由は乾季のため雨は少ないが暑くない、観光客は比較的少なく宿が安い、人気のレストランや観光地にも入りやすいなどでした。
8月はヨーロッパのサマーバケーションで人が集まってくるのは分かるが、そうでないなら避けた方が良いと仰っていました。
「事前に言ってくれればポルトガルかスペインなら案内するぜ!」と仰っていたので訪問の際は再会しようと思います。
以下は、宿泊費を削減する方法の詳細(記事)。
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