この記事では「関西から折立発、テントを担いで、雲ノ平を最短ルートで縦走する方法」を紹介します。
内容は
- 関西から雲ノ平へ最短で行くなら「折立」から
- 折立~雲ノ平
- 雲ノ平~新穂高温泉
です。
日本最後の秘境「雲ノ平」へ単独行で行ってきました。費用を抑えるため、テント泊です。
60Lのザックにテント装備を詰め込んで(約15kg)、金曜日の仕事上がりに、京都駅から終電のサンダーバードに乗り込みました。金沢駅で北陸新幹線に乗り換え、富山駅へと向かいました。
月曜の有休込みの3泊4日ギリギリのスケジュールだったので最短となるルートを探した結果、無事に予定内へ収まることができました。
今回は、その最短ルートを紹介します。
関西から雲ノ平へ最短で行くなら「折立」から
関西から比較的短時間で雲ノ平に行くルートには主に2通りあります。
- 岐阜県の「新穂高温泉」⇒雲ノ平
- 富山県の「折立」⇒雲ノ平
関西からであれば「折立」発、雲ノ平が最短ルートです。なぜなら「新穂高温泉」⇒雲ノ平よりも距離とコースタイムが短いからです。
- 「折立」⇒雲ノ平:10時間、15km
- 「新穂高温泉」⇒雲ノ平:13時間、22km
前泊入りするなら、尚更「折立」ルートがおススメです。登山前日に電鉄富山駅まで行って1泊し、富山駅からバスまたは電車とバスの乗り継ぎで折立へ向かえば時間に無駄がありません。
✓折立行きのバスは、本数が少なく、すぐに満席になってしまうため予約開始と同時に申し込む必要があります。
なお、電鉄富山駅に最寄りのホテルは「富山地鉄ホテル」です。電鉄富山駅のビル内にあるので、翌朝すぐに電車に乗れます。
料金も4,000~9,000円/人と比較的、手ごろなので、個人的にはオススメ。宿泊予約サイトから予約する方が公式よりも安いです。
以下、実際に関西から折立⇒雲ノ平⇒新穂高温泉ルートで3泊4日のテント泊縦走の日記を紹介します。
折立〜雲ノ平
富山地鉄ホテルに宿泊し、翌朝8時に目を覚ましました。
部屋の窓から天気をチェックし、晴れていることを確認。これから2日間は風呂に入れないのでひとっ風呂浴びます。
素早くチェックアウトを済ませて、電鉄富山駅から電車に乗り、バス乗り場の有峰口を目指します。
電鉄富山駅から有峰口までの運賃は1,040円です。
なお、富山地方鉄道はsuicaやICOCAなどの全国的な交通系電子マネーには対応していません。関西在住者は紙の切符が必要。
有峰口に到着。予約していたバスに乗って、折立に11:05到着(予約無しでは乗車不可)。
折立から太郎平小屋の近くにある、薬師峠キャンプ場へ向かいます(約4時間)。
本日は短時間の登山なので気持ちが楽です。折立からの急勾配の樹林帯の登りも足が軽いです。
2時間くらい登ると、森林限界を超えて視界が開けます。
木道を歩いていくと、1泊目の宿泊地の近くにある太郎平小屋に到着です(14:23)。
テント泊なので、10分ほど歩いた薬師峠キャンプ場へ向かいます。
薬師峠キャンプ場着(14:45)。4時間だけの登山だったので元気が余っています。
テントで快適に寝るために、大きな石をどかして整地していました。
平らにした場所にテントを張り、テント場の管理所で現金1000円を支払ってタグをもらいます。
管理所にはビールや日本酒、おつまみが販売されているので、最悪自炊しなくても大丈夫です。
周囲には太郎小屋くらいしか、行くところが無いので、さっさと寝ました。
翌朝は5時半起床。テントを撤収して稜線を歩きます。雲海と夜明けが綺麗。
日が昇ってくると、今度はうろこ雲が綺麗。あぁ〜って気持ちになります。
薬師沢小屋へと向けて、下って行きます。
初日に頑張って登った高度を消費する感じになるので少し嫌な気持ちになります。
下って行くと、ぐんぐん気温が上がっていき、暑くなってきます。
背の高い樹木が増えて見通しが悪くなっていくのもあって、気が滅入ってきた頃に薬師沢小屋に到着。
薬師沢小屋には沢の水で冷やしたキンキンに冷えたジュースが売っています。500mlのペットボトルで500円と高いですが、暑いので買ってしまいました。
薬師沢小屋周りは狭く、休憩しにくいですが無理やり座り込んで、雲ノ平への「直登」に備えます。
さらに下っていき、薬師沢沿いに歩いていると、分岐が出てきます。直進は高天原温泉、右手が雲ノ平へ向かう分岐です。
雲ノ平行きの分岐は「ほぼ壁に見えます」が、登ります。
✔︎高天原温泉は分岐点から3時間かかるので、この旅程では諦めます。暗くなってから雲ノ平行きの直登を登るのは危なすぎる。
2時間ほど直登すると、木道がある沼地に出ます。そこを抜ければ、雲ノ平のアラスカ庭園に到着です。
雲ノ平には8つの庭園があります。
- 日本庭園
- スイス庭園
- ギリシャ庭園
- 奥スイス庭園
- アルプス庭園
- 奥日本庭園
- アラスカ庭園
- 祖父庭園
名前が異なっていますが、実際に目にすると違いが分かりません。アラスカ庭園から見える雲ノ平山荘を目指します。
直登が終わってから徒歩15分くらいです。
山荘に到着したらテント場の利用料を払い、テント場へ向かいます(山荘からテント場までは徒歩15分くらいです)。
山荘ではビール(500ml缶が1000円)やおつまみなどが売っていますが、午後には売り切れているものも多かったです。
雲ノ平山荘のテント場は、平らな場所が多く、寝心地が良い場所を確保しやすいです。
Montbellの人気テントなので、周囲に同じテントが多かったです。混み合ったテント場では紛らわしいのが、たまにキズ。
幕営が済んだら散策です。特に9月のシルバーウイークあたりだと紅葉と緑が混じって素敵です。
散策を終えて、日が暮れる前に晩御飯の支度を済ませます。(17:00)
水場は雲ノ平のテント場にあります。ホースから冷たい山水が流れています(飲用可能)。
お腹の弱い僕が飲んでも大丈夫でした。
食事も終わって、日が暮れてくると、9月でも寒いです。雲ノ平は標高2600mくらいの台地で地上よりも15℃くらい気温が低い。
一方、日差しは強いです。木陰も無いため、日焼けします。
✔︎雲ノ平のトイレ事情:テント場のトイレは混み合う+結構汚い。しかし、テント場は山荘との距離が離れているため、夜はテント場のトイレを利用せざるを得ません。
できれば夕方くらいに山荘のトイレを使って、後は水分控えめにしてテント場のトイレに行かないのがおススメ。
✔︎雲ノ平の夜景:晴れていれば、星空は抜群に綺麗です。周囲数十キロに街などの灯りがないため、星の光が際立ちます。
天体観測して就寝しました。
翌朝は一気に新穂高温泉まで向かいます。朝、5時半くらいに雲ノ平を出発して、なんとか間に合いました。
雲ノ平〜新穂高温泉
雲ノ平→黒部川源流→三俣蓮華→双六→鏡平→新穂高温泉を1日で行くハードな行程です。雲ノ平からの下りなので良いですが、登りなら嫌です。
新穂高からの終バス16:56に間に合わせるため、朝5:30に雲の平を出発します。
雲ノ平からの出発は気が滅入ります。なぜなら雲ノ平は「日本のへそ」と呼ばれており、何処へ行くにも登り返しが必須だからです。
新穂高温泉方面に行くためには、黒部川の源流まで降りて、三俣蓮華まで登り返す必要があります。
雲ノ平から三俣蓮華の登り返しは、しんどかったです。滑りやすい砂利道を九十九折で下って、登り返すのに神経を使いました。
雲ノ平を出発してから約2時間半で三俣山荘に到着。カップラーメン、飲み物買えます(8:08)。
中で何か買えば、外のテーブルで調理してもOKぽい。ラーメンやらコーヒーやら作っている人多数でした。
三俣山荘で30分程度休憩して、双六小屋を目指します。三俣山荘から双六小屋までは、比較的平坦で、危険な箇所は少ないように見えました(9:19)。
唯一、双六小屋への下りは急で少し危なかったです。
三俣山荘から約2時間半で双六小屋に到着(10:49)。双六小屋は、大きな小屋でテント場も綺麗に整備されているので快適ぽい。
太郎平小屋、薬師沢小屋、雲ノ平山荘、三俣山荘と渡ってきましたが、双六小屋が1番立派で賑わってました。
人里が近いことを感じます。
当日中に帰らないと、翌日の仕事に間に合わないので、急いで新穂高温泉を目指します。
2時間半ほど歩いて、鏡平山荘に到着(ウッドデッキのある綺麗な山荘)。
鏡平まで降ってくると背の高い木々も増えて、標高が下がっていることを実感。
シシウドヶ原から1時間半ほどで「わさび平小屋」へ到着。
ここまで降りてくると、舗装された道路や美味しい食べ物があり、一気に人里へ降りてきた感があります。
なんだか安心する気持ちと、まだ居たい気持ちが混ざって不思議な感覚。
わさび小屋から50分ほど歩けば、新穂高温泉です(16:08)。
新穂高温泉→高山濃尾バスセンター→名古屋→京都へは、16:56分発のバスが最終なので急いでバスの切符を買ってバス乗り場へ。
無事に雲ノ平を出て、当日中に京都へ到着することができました。
参考)縦走したいけど装備を持っていない場合、好日山荘かモンベルのオンラインショップがおススメ。
●好日山荘(7560円以上の買い物で送料無料)
●モンベルのオンラインショップ(会員なら送料無料)
✔︎モンベルの装備を使わない場合でもモンベル会員はオススメ。短期の山行保険に割安で入れるからです(1,000〜2000円)。
以上「【テント泊】関西から折立発、雲ノ平を経由して新穂高温泉まで3泊4日の最短ルートで縦走してきた!」でした。
その他の富山、岐阜の観光スポットやグルメは以下の記事に纏めています。
⇒参考)富山の観光記事まとめ
⇒参考)岐阜の観光記事まとめ
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