この記事では「東京ステーションホテルの設備とサービスを詳しくレビュー」します。
<レビューの観点は以下>
- 客室
- 設備・サービス
- 風呂(大浴場)
- 食事
- 価格
- アクセス
「客室」「設備・サービス」がハイレベルで立地も日本最高の場所(東京駅構内)のため、控えめに言って最高。
100年以上の歴史を持ちながら時代と共に設備やサービスをアップデートしており、昔の良さを維持しながら現代でも最上級の客室と設備・サービスを堪能しました。
客室は洗練されたクラシカルなデザインながら先端の機器が備え付けられており機能的。
客室は2012年にリノベーションされていますが天井の高さなどは建設当時(1915年)のまま残っており、昔と今の良いところが合わさった造りでした。
設備・サービスは人工炭酸泉のスパ、インストラクター付きのフィットネスジム、7カ所のレストラン、1959年から腕を振るう名物マスターのバー(オーク)など特徴ある設備が揃っています。
また、全長330m以上の廊下には、1915年の創業当時から現在までの東京駅近辺の絵や写真が飾られており、宿泊客が滞在中に楽しめる工夫も充実しています。
旧国鉄のJRのグループ会社であるJR東日本ホテルズ(日本ホテル株式会社)が運営。
歴史に裏打ちされた洗練のサービスと、資本力を活用した設備に感動しました。
総合的な感想は「 べた褒めです」。個人的には非の打ち所が無いホテルでした。
これまで100を超える高級宿に泊まってきた経験から、突っ込んだ目線で「東京ステーションホテル」の良し悪しをレビューしていきます。
⇒参考動画)【宿泊記】東京ステーションホテルは100年以上も日本の成長と共に進化し続けるクラシックホテル
【宿泊記】東京ステーションホテルは100年以上も日本の成長と共に進化し続けるクラシックホテル
東京駅と一体となって営業する日本のクラシックホテル。
客室フロアの窓から駅構内の様子(丸の内の改札など)を眺められるのは、日本で東京ステーションホテルだけです。
歴史的には、東京駅開業から1年後の1915年(大正4年)に開業したホテルです。
74万人の人手で完成させた駅舎とあって、1923年の東京大震災にも耐え、第二次世界大戦では屋根が消失するなどの被害に見舞われながら、2003年には国の重要文化財に登録されるようになりました。
2007年からは保存・復原工事が着工し、78万人の職人の手を借りて、2012年にリニューアルオープンを果たしました。
⇒参考)東京ステーションホテルの歴史
保存・復原工事は当時の材料や工法を活かしながらも、最先端の建築として再生する困難な挑戦に成功し、正に進化し続けるホテルと言えます。
日本にある全9箇所のクラシックホテルを制覇しましたが今と昔の融合という観点では東京ステーションホテルが一番優れていると感じました。
⇒参考記事)日本に9つあるクラシックホテルに宿泊してランキングを付けます!(記事を工事中)
以下で東京ステーションホテルを詳しく見ていきます。
ロビー
チェックイン時、東京ステーションホテルの入口は2箇所(メインエントランス、サブエントランス)あります。
電車で東京駅まで行ってホテルへチェックインする場合は”サブエントランス”を使用した方が近道です。
丸の内南口の改札を出た後、右斜前に小さな自動ドアがあり、そこがサブエントランスになっています。
✔️とても入口分かりにくかったです。
サブエントランスからロビーラウンジを通り過ぎた先にフロントがあります。
クラシックホテルパスポートのスタンプを押して貰い、2階のパレスサイドコンフォートキングの客室へ向かいます。
✔️クラシックホテルパスポートとは日本に9箇所あるクラシックホテルに宿泊するとペアランチ券や宿泊券が貰えるパスポートのこと(別記事にまとめています)。
ロビーラウンジ前の客室フロア専用エレベーター(中央エレベーターではない)に乗って2階へ上がると、そこは駅の中に居ることを忘れるくらい美しいホテル。
全長330mを超す東京駅を横断する長い廊下を、高級ホテルらしくスタッフが東京ステーションホテルの成り立ちを紹介しながら客室まで案内してくれます。
興味を惹きつけられる内容だったので長い廊下も苦にならず一瞬で客室に着きました。
客室(パレスサイドコンフォートキング)
まず、東京ステーションホテルの客室タイプについて簡単に説明します。
全150室あり、主に”客室の配置” × “客室の造り”でタイプが異なります。
客室の配置は、東(パレスサイド)、南北(シティービュー)、駅構内側(ドームサイド)の3タイプです。
ドームサイドは東京駅を行き交う人々を眺めながら過ごせる客室ですが、人気はパレスサイド(皇居側)。
東京駅の正面から皇居まで続く行幸通を眺めながら過ごせます。
客室の造りは、大別すると3タイプ。スタンダードルーム(23〜55平米)とスイートルーム(58〜173平米)、一風変わった2階建てのメゾネットタイプがあります。
宿泊料金は同じ客室タイプならドームサイド < シティービュー < パレスサイドの順に高くなる傾向があります。
また、東京ステーションホテルには、ラウンジアクセス権が付帯するクラブフロアなどの設定はありません。
客室ランクにより差別なく、平等に設備を利用可能なのは良いですね。
今回は人気のパレスサイドの客室「コンフォートキング(2008号室)」に宿泊しました。
パレスサイドコンフォートキング(34平米)
パレスサイドの中では最も安価な客室でしたが素晴らしかったです。
美しい調度品に彩られた客室はデザイン的にも機能的にも素晴らしく、同時に高い天井などから歴史も感じられました。
また、客室から眺める丸の内の景色は、ここからしか見られない絶景でした。
正に「今と昔を同時に楽しめる客室」です。
ベッド、ソファーテーブル、テレビ、ミニバー、デスクがあります。
客室の構成はベッドルーム、バスルームです。
ベッドルーム
世界的に評判の高い英国のリッチモンド・インターナショナル社のデザインで、縦長窓と調和するクラシックでかつ快適な装い。
ベッドはシモンズ社の厚みのあるマットレスに、手触りのよいキルトトップを組み合わせたオリジナル仕様。
柔らかすぎず、硬すぎず寝心地が最高。
ベッドサイドには、内線、照明制御の他、コンセントも備わっています。
また、ベッドサイドの照明器具は高級感のある陶器製で、調度品の質感やデザインに拘りを感じました。
ソファーテーブルは丸の内の景色を見ながらの読書にぴったり。
頭上のリーディングライトを使って、読書をしながら夕暮れの丸の内の景色をチラ見する時間は最高でした。
テレビはSONYの4Kスマートテレビ(BRAVIA)です。
レストラン・バーの営業時間の確認、フロアマップの確認、ネット番組の視聴など便利機能が備わっています。
また、客室での事前精算によるエクスプレスチェックアウト、朝食の混雑具合の確認などオンラインを活用した機能もありました。
✔️フロントが小さく客室が多いためチェックアウト時の混雑を想定していましたが、エクスプレスチェックアウト機能があるため直ぐにチェックアウトできました。
ミニバーはテレビ下段の棚に入っています。両開きの棚になっており、左手にはお茶やコーヒー、グラス類、ケトルなどが収納されています。
右手には冷蔵庫が設置されており、中にはジュースやお酒類が収納されています(有料)。
特段、ホテル独自の飲み物は入っておらず、近くのコンビニなどで調達可能なので、私は利用しませんでした。
なお、冷蔵庫内のミネラルウォーター(ペットボトル)は無料です。
デスクは照明、高速の有線LANケーブル(Wi-Fiもあります)、原稿用紙デザインのメモ用紙が置かれており広さもあるため仕事がしやすい環境。
滞在中、仕事をしたり、ようやく全てのスタンプが貯まったクラシックホテルパスポートの整理をしたりと活躍しました。
✔️クラシックホテルパスポートを全制覇したのでペアの無料宿泊券×2(私と妻の分)が貰えました。
机の中にはバゲージステッカーなども入っており、持ち帰り可能です。
バスルーム
大理石調のデザインとなっており高級感があり、とても低ランクの客室とは思えません。
脱衣所を中心に浴室とトイレが独立している造りになっており、使い勝手が良かったです。
脱衣所
茶系の大理石で造られた洗面台があり、アメニティー、ドライヤーなどが収納されています。
アメニティーはフランスの香水ブランド「イストワール ドゥ パルファン」とコラボのしたオリジナル品で、時間とともに香りの変化を楽しめます。
また、スキンケア用品は雪肌精を使用しているなど肌用品への拘りが感じられます。
ドライヤーは高風量のSALONIAです。このドライヤーはコスパが良い印象。
また、細かいことですがデザイン面では蛇口の形も可愛いです。細部に拘った造りが楽しめる脱衣所です。
脱衣所で一番良かったと感じたのは、些細なことかも知れませんがタオル掛けです。
洗面台が1つしかない場合、タオル掛けも1つしか用意されていないことが常ですが、2枚分のタオル掛けがありました。
このような小さな気配りが嬉しく感じます。
浴室
脱衣所と同じ色調で整えられた滑らかな質感の浴室です。
浴槽と洗い場、レインシャワーのシンプルな構成ですが、非常に質が高い。
浴槽は背もたれには、なだらかな傾斜が付けられており背中を伸ばして寝るように入浴できます。
また、浴槽の真上には間接照明が設置されており、寝ながら上を見上げても眩しくありません。
間接照明には照度制御装置が付いており、浴槽上の明るさを調整できます。
トイレ
TOTO製のウォシュレット機能付きトイレです。
帝国ホテルなど、昔からホテル業をしている国内ホテルのトイレには緊急用の電話が付いていることが多いです。
設備・サービス
東京ステーションホテルの建物は、全6フロア(地下2階、地上4階)あります。
設備のみのフロアは地下1階と1階のみ。2~4階は客室と設備が同じフロアにあります。
簡単に纏めると上記の通りですが、実際は細長で複雑な造りになっています。
全長330mの複雑な迷路のような造りの中に東京ステーションホテルの歴史に関連する107点の写真や絵、復原前の部材を使用したホテルのパーツが飾られています。
アート探しを目的とした館内散策が、かなり楽しかったです。
地下1階から4階まで順に主要な設備を見ていきます。
✔️レストランとスパは別枠で説明します。レストランは食事、スパは風呂(大浴場)です。
地下1階
フィットネス&スパ(庵スパ)とレストラン(後述)があります。
フィットネス&スパ は、宿泊者はフィットネスのみ無料で利用できます(スパは有料)。
特徴は運動前の準備から運動後までカバーする機器が多いこと。
特にストレッチマシーンが充実しており、肩の筋肉をほぐすショルダーエレベーション(ZERO-i社製:98万円)、疲労回復を促進する酸素カプセルなどが揃っています。
通常のフィットネスジム(月会費〜1万円)では運動機器のみの場合が大半ですが、ホテルのジムとしては別格に素晴らしいです。
✔️室内用の靴での利用が必須。利用する場合は旅行の準備時に運動靴と運動用の服を用意する必要があります。
フィットネスジムは宿泊者以外でも月会費(38,500円〜)を払えば利用可能です。
フィットネス&スパを出て、エレベーターを上がるとロビーです。
1階
エントランス、ロビーラウンジ、フロントがあります。
ロビーラウンジは、朝食やハイティーとして利用可能。
朝食は野菜たっぷりのヘルシーメニュー「ムニュナチュール(3,700円)」、アフタヌーンティーと夕食を兼ねたハイティーではシャンパンや季節のメニューを提供。
宿泊者はもちろん宿泊者以外でも利用可能です。
営業時間は8:00〜20:00です。
✔️フロントの床には東京ステーションの象徴であるクレマチスの花を型だった真鍮のレリーフが埋め込まれています。
クレマチスの花言葉は「旅人の喜び」。館内アートの探し物として見つけてみるのも楽しいです。
2階
宿泊者のみが立ち入れる客室エリアと、宿泊者以外も立ち入れるレストランエリアに分かれています。
客室エリアには会員制ワインセラー、レストランエリアには5つのカフェ、バー、レストランが入っています。
まずは客室エリアの会員制ワインセラーについて簡単に紹介します(レストランエリアは後述)。
会員制ワインセラーは、東京ステーションホテルの限定の国産ワインを購入すると、ホテル内の専用セラーで保管してくれるサービスです。
ワインは ”Souvenir” は長野県上田市、小諸市の豊かな土壌で丁寧に栽培されたカベルネソーヴィニヨンとメルローの原酒を畑違いで4種ブレンドしたもの。
アルコール感や酸味のバランスが整っており、熟成によってさらに香りの複雑さが加わり、まろやかさと深みが増すそう(製造元:マンズワイン(株) 小諸ワイナリー)。
持ち帰りは出来ずにルームサービスやホテル直営の飲食施設で提供してもらえます。
価格は20,000円+年間保管料(2,000円/本)で、ワインのオーナーになれます。
普段、ワインセラーは施錠されており、基本的にオーナーのみがセラー内へ立ち入れます。
3階
3階と4階は宿泊者以外は立ち入れない場所です。
アーカイブバルコニーは、東京ステーションホテルの歴史を纏めたスペース。
写真やレリーフなどで創業当時の様子や復原工事の資料が展示されています。
また、東京駅を行き交う人々を眼下に眺めながら復原の目玉であるドームレリーフを間近に眺めることができます。
ドームレリーフは東京駅の丸の内南口と北口の真上にあります。
4階
スイートルームとアトリウムがあります。
アトリウムは、宿泊者専用のゲストラウンジです。
復原前は使用されていなかった中央屋根裏の空間がガラス窓を使用した内装に一新され、高さ9m、400平米を超えるホテル内で最も広い場所です。
ラウンジでの飲食の他、駅舎の歴史を綴った書籍や、ホテルにゆかりのある文豪(松本清張、川端康成など)の作品があり、自由に手に取ることができます。
個人的には、東京ステーションホテルがデザインされたロイヤルコペンハーゲンの皿や1951年当時の夕食メニューなどの展示物が面白く、長々滞在しました。
ちなみに1951年は夕食が1,000円だったらしい(貨幣価値が今と全然違うのは分かっていますが、安く感じる)。
特別なイベントが無い限り、アトリウムは朝食会場として利用されています。
朝食の営業時間が終わる11時の後に顔を出せば、宿泊者であれば見学させてもらえます。
(一応、アトリウム常駐のスタッフの許可を取った方が良いです)
風呂(大浴場)
人工炭酸泉、人工温泉、ドライサウナ、スチームサウナを完備した大浴場があります。
宿泊者限定で利用できますが、有料(2,000円:税込)。
残念ながら、滞在中は「温浴施設工事」のため、利用できませんでした。
宿泊前はホテルからのお知らせをチェックすべきでした。。。
食事
東京ステーションホテルにはレストラン・バー・カフェを合算すると「10」もの店舗が入っています(丹波屋とトラヤトウキョウはショップなので除外)。
そのため、和・洋・中と様々なジャンルの食事を選べます。
価格の幅も広く、例えばディナーでも9,680円(イタリアン:エノテカノーリオ)から30,250円(すし:青柳)まであります。
特にイタリアンはハイクラスのホテルにしては、かなり安いと思います。
ゆっくりするならホテルディナーでもアリかと思います。
一方、せっかく東京に来たのだから、東京が強いジャンルのグルメ(うなぎ、トンカツ、江戸前寿司など)を食べたい場合もあると思います。
そこで、今回は東京に来たら是非食べて欲しいグルメを1店だけ紹介します。
鰻家(東長崎駅)
鰻家は、東京在住のグルメな友人に強くオススメされて行ってきました。
食べログの百名店に載っているうなぎ専門店であり、昭和44年に創業以来、店主が毎日100匹以上の鰻を捌き、焼いています。
一番有名な定番メニューは「うな重 特上(6,500円」ですが、通い慣れた方には「白焼(6,500円)」や「骨せんべい(600円)」が人気。
また、仕入れのタイミングが合った時のみ事前注文可能な「肝焼き(1,000円)」も美味。
一度、食べてみてください!
価格
「パレスサイド コンフォートキング」に2名素泊まりで58,028円でした(日月泊)。
高級で有名な東京ステーションホテルにしては、かなり安く泊まれたと思います。
公式と宿泊予約サイト(Relux、一休、じゃらんなど)を価格比較して、今回は最も安かった「Relux」から予約しました。
東京ステーションホテルは、公式でも宿泊予約サイトでも早割やキャンペーン割引などの割引が実施されません。
「Relux」に掲載されている宿なら何処でも利用可能な20%オフクーポン(+4%ポイントバックまたは即時利用)が利用できました。
公式料金と比較して、かなり節約できたと思います。
*20%オフクーポン割引と4%のポイントバックがあったため最安値になりましたが、必ずしも毎度20%のクーポン割引を獲得できるとは限りません。
*20%オフクーポンはReluxの親会社である「au」のスマートパスプレミアム会員の特典です。Relux掲載の宿なら何処でも利用可能な3~30%割引のクーポンが「3」の付く日に抽選できます。
*なお、当日の客室の空き状況によっては客室が特典でアップグレードされる場合もあります。
(偶に30%が当たりますが、大体15~20%割引クーポンです)
上記の割引方法は以下の参考記事に記載しています。
何処から予約するのが最安値になるのかは、クーポンやポイントバックの有無によって変わります。
例えば、
などの可能性も考えられます。
以下に代表的な宿泊予約サイトのリンクを記載していますので、価格比較に利用してください。
総合評価
今まで数々の宿に泊まった経験から、独断と偏見で東京ステーションホテルを評価しました。
評価の観点は宿泊料金、食事、お風呂、客室、接客&サービス、アクセスです。
評価は5段階で、評価が悪い順に1,2,3,4,5点です。
宿泊料金は立地を考えるとそれなり。
風呂は人工温泉やサウナのある大浴場があるが有料(3,000円)、無料なら満点(5点)でした。
客室はデザイン的にも機能的にも申し分無し。
接客とサービスも素晴らしい。
アクセスは最高(東京駅)。
以上が「【宿泊記】東京ステーションホテルは100年以上も日本の成長と共に進化し続けるクラシックホテル」でした。
東京のその他観光スポットやグルメについても、本ブログで紹介しています。
コメントを残す